安倍晋三首相は18日、官邸で開いた新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、感染拡大の影響で経済的打撃を受けた家庭に対し、状況に応じて電気料金など公共料金の支払いの猶予を各機関に要請するよう指示した。入国者に自宅などで2週間待機を求める対象国に欧州各国を加えるなど水際対策の強化も正式に決定した。全世界を対象に感染症危険情報レベル1を発出し、地域を問わず、全ての海外渡航の是非や延期の必要性を考慮するよう注意喚起した。
首相は会合で「景気悪化への懸念が高まる中、仕事がなくなるなど公共料金の支払いが難しい人も出てくることが懸念され、生活に不安を感じる人への追加措置が急務だ」と述べた。
生活支援策として地方税について徴収の猶予などを地方自治体に要請した。国税に加え、社会保険料についても原則1年間、納付猶予や延滞金などの免除措置を取る。第2弾の緊急対応策で設けた返済免除特約付緊急小口資金について、個人事業主などの世帯についての貸付限度額を10万円から20万円に引き上げる。融資対象は政府が要請した公立学校の休業による影響の有無に関わらない。
首相は新型コロナ感染の有無を調べるPCR検査について、これまで6時間かかっていた検査を1時間程度に短縮する機器の開発を完了したと明らかにした。
水際対策の強化として、入国者に2週間待機を求める対象国として英国、フランス、ドイツなど欧州各国のほかエジプト、イランなど38カ国を追加。21日午前0時以降、4月末まで実施する。これらの国からの入国者は自宅などで2週間待機し、移動に公共交通機関を使わないことも求める。同様の措置は中国と韓国を対象に既に実施している。
入国禁止対象国も、スペインの首都マドリードを含む4州とスイスのティチーノ州など一部地域と、アイスランド全土に拡大する。日本への入国申請日より前の14日以内に滞在歴がある外国人が対象で、19日午前0時から当面の間、実施する。既に一部地域を入国拒否の対象としているイタリアの対象地域を拡大する。