- 米経済急激に縮小とFRB報告、米小売りと製造業が歴史的落ち込み
- 5月にも危機到来、国債を保有する意味、ゴールドマン以外の銀行株
最近の米経済統計は金融危機やリーマンショックを飛び越えて、第2次世界大戦直後あるいは戦前までさかのぼってその変化の度合いを説明するものが増えています。第2次大戦より前の大きな節目は1929年、世界大恐慌です。リセッション(景気後退)ではなくディプレッション(恐慌)という言葉が、ちらほら聞こえてくるようになりました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
経済が萎縮
米地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、新型コロナウイルス感染が全米に拡大する中、「経済活動は米国の全ての地域において急激かつ突如として縮小した」と指摘。厳しい隔離政策により、膨大な数の労働者が失業に追い込まれ、第2四半期(4-6月)の経済成長は年率25%の縮小が予想されている。賃金の上昇圧力を報告した連銀地区はなかった。
まだこれから
米国の小売売上高と製造業の生産は、いずれも3月に歴史的な落ち込みを記録。しかもまだ最悪期を脱していないことを示唆した。3月の小売売上高は前月比8.7%減と、統計が始まった1992年以来で最大の減少率。3月の鉱工業生産統計では、総合指数と製造業の生産指数がいずれも1946年以来の大幅な低下となった。
5月にも正念場
アトランタ連銀のボスティック総裁は、多くの米企業が早ければ5月にも存続の危機に立たされると指摘。大量の企業破綻を回避するため、政府と銀行が速やかに救済措置を講じる必要があると訴えた。「心配の種が流動性から支払い能力、さらには事業の存続に姿を変えるという意味で、5月は重大な月になりそうだ」と述べた。
戦前・戦時
ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏は、中央銀行が世界経済を救済するために紙幣を増刷している現状を指摘し、投資家がいま国債を保有するのは「正気の沙汰でない」と述べた。現状は1930ー45年に似ていると指摘。この環境で上昇する資産は金と、バランスシートが強固な一部企業の株式および社債だと述べた。
引当金とトレーディング収入
大手米銀の株価は総じて大きく下落。バンク・オブ・アメリカとシティグループ、ゴールドマン・サックス・グループはいずれも、第1四半期に貸倒損失に備えて多額を引き当てたことを明らかにした。ゴールドマンも46%減益と決算は悪かったものの、過去5年間で最も好調だった債券収入に支えられ、トレーディング収入は予想外に28%増えた。株価は上昇した。
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