都内で新たに107人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、小池都知事は緊急会見で「現在は感染拡大要警戒にある」と語った。(2020年 REUTERS/Issei Kato)
東京都は2日、都内で新たに107人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。
都内で1日に100人以上の新規感染が確認されるのは5月2日以来61日ぶり。これで都内で確認された陽性者の合計は6399人、東京アラートを解除した5月11日以降の陽性者は979人となった。
この日確認された陽性者107人のうち、20代と30代が61人で全体の約6割。また、感染経路が不明な人は20人で29%を占めている。
感染状況をチェックするモニタリング指数は、過去1週間の新規陽性者数の平均が65.3人(前日56.9人)、新規陽性者に占める感染経路不明者の割合が47.5 %(前日47.7%)と、休業を再要請する目安をともに超えている。週単位での陽性者の増加比が1.69 (前日1.51)となっている。
小池知事「休業要請などの規制は行わず」
小池都知事は2日午後5時から緊急記者会見で、現在の状況について「感染拡大要警戒」にあると述べ、夜の繁華街への外出を控えるように呼びかけた。一方では、「緊急事態宣言の状況に戻ることは誰にとっても好ましくない」として、当面は休業要請などの規制は行わず、経済と感染防止を両立させていくと語った。
都では1日から新しいモニタリング指標を導入しており、専門家に、感染状況と医療提供体制について分析を依頼。小池知事は「感染状況についての(専門家の)評価は『感染が拡大しつつある』、医療提供体制については 『体制強化の準備が必要である』との分析結果だった」と説明。
専門家の分析では、これまでの感染者数と増加率からみて、このままであれば4週間後には感染経路不明者が160人程度に、その6日後には960人に増加し、現状での東京都の病床数1000床を埋める状況になるという。これについて小池知事は「都として感染拡大の警戒を要する段階だ」との認識を示した。
日常生活の回復と感染拡大が隣り合わせの東京
東京都は、6月1日から新型コロナ対策の規制緩和のステップ2へと移行したが、翌2日には34人の感染確認により都民に警戒を呼びかける「東京アラート」を発動。11日には「東京アラート」を解除して規制緩和を拡げ、19日からは一部の大規模なイベントを除きすべての業種に対して規制を全面解除した。
しかし、規制緩和とともに新規感染者の数は徐々に増加。6月は1日平均で33.2人と、規制緩和の条件とされた1日20人という指標を上回る状態が続いている。また6月29日までの1週間では、人口10万人あたりの新規感染者が平均で2.61人となり、厚生労働省が都道府県に対して示した社会への協力要請を行うための基準を上回っている。