秋から全ての授業をオンラインで行う米国の学校を対象に、外国人留学生の米国滞在を認めない新たな米政府規定に対し、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)が一時差し止めを求めて裁判所に訴えた。
ハーバード大のバカウ総長は8日、この新規定について「学生や教員らの健康や安全に対する懸念を顧みることなく、今秋に教室で対面講義を開くよう大学側に意図的に圧力をかけていると思われる」と、声明で批判した。
米移民税関捜査局(ICE)が6日発表した新規定によると、現在学生ビザを持つ留学生が米国にとどまるには、全面的に教室での対面講義を実施する学校、もしくはオンラインと教室の両方で授業が行われる学校に通学、あるいは転校する必要がある。
授業料を全額支払うことの多い外国人留学生に、米国の大学は大きく依存する。新型コロナウイルス流行によるマスクの着用や、定期的な検温、キャンパス内の交流制限などで学生生活が変わる場合、どれだけ多くの留学生が米国にやって来るかは不透明だ。米国国際教育研究所(IIE)の最新のデータによると、2018-19年度に米国の大学に在籍した外国人留学生は約110万人。中国出身者が最も多くその3分の1余りを占め、インド、韓国が続いた。
原題:Harvard and MIT Sue ICE to Halt New Student Visa Guidelines (1)(抜粋)