• アストラゼネカなどのワクチン候補に有望な結果、モデルナ株急落
  • EU復興基金で新妥協案、アント同時上場へ、英国も引き渡し停止
The Jenner Institute, the home of a University of Oxford human trial into a coronavirus vaccine.
The Jenner Institute, the home of a University of Oxford human trial into a coronavirus vaccine. Photographer: David Levenson/Bloomberg

週明けの欧米時間帯に、新型コロナウイルスのワクチン・治療薬候補に関するニュースが数多く流れました。いずれもおおむね有望な内容。ワクチンが複数入手できる日が現実になるのを期待する一方で、感染爆発が止まらない途上国の動向などが引き続き危惧されます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

重症化リスク79%低下とも

英オックスフォード大学が同国製薬アストラゼネカと開発を進めている新型コロナウイルスのワクチン候補が、ヒトを対象とした初期の治験で有望な結果を出したことが分かった。感染を防ぐ中和抗体とウイルスを攻撃するT細胞の両方を増加させたという。英国ではまた創薬ベンチャー、シネアジェンの候補薬が新型コロナウイルス感染症(COVID19)の重症化リスクを79%低下させたとの治験結果を発表。株価が急伸した。中国の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が開発中の同ワクチン候補も中期臨床試験で有望な結果を示し、次の段階に進む見通しとなった。

上昇し過ぎた

一方で、米バイオテクノロジー会社モデルナの株価は急落。過去12カ月間で同社の株価が6倍超値上がりしたとして、JPモルガンのアナリストが投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。モデルナ株の投資判断引き下げは、3月のバンク・オブ・アメリカに次いで2度目。ただ、JPモルガンによる引き下げはワクチン候補の見通しに基づいたものではなく、同候補については強気な見方を維持している。

補助金減額の新たな案

欧州連合(EU)首脳会議では、新型コロナで打撃を被った国々を支援する「復興基金」について、新たな妥協案が提示された。ミシェルEU大統領(常任議長)が加盟国に最新案を配布した。ブルームバーグ・ニュースが確認した同案のコピーによると、基金の総額7500億ユーロ(約92兆円)のうち返済が不要な補助金は3900億ユーロと、当初案の5000億ユーロから減額。残りの3600億ユーロは低利の融資とする。

数年ぶりの大型IPOか

中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング関連会社の螞蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル)が、待望されていた新規株式公開(IPO)に踏み切る。香港と上海の「科創板(STAR)」市場に同時上場する計画だと、同社が発表した。アントは中国最大のモバイル決済サービス「アリペイ(支付宝)」の親会社。直近の資金調達ラウンドで同社の企業価値は1500億ドル(約16兆円)と評価され、数年ぶりの大型上場となる可能性がある。

「合理的かつ相応の対応」

英国は香港と結んでいる犯罪人引き渡し条約を停止したほか、香港を武器禁輸の対象とした。中国が香港国家安全維持法(国安法)を導入したことを受けた措置で、今後中国との外交関係が著しく悪化する可能性が高まった。ラーブ外相は下院で、今回の措置は中国が取った行動への「合理的かつ相応の対応だ」と言明。「英国だけでなく、世界中が事態を注視している」と述べた。

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