「ドコモ口座」を通じた預金の不正引き出し問題で、NTTドコモは、顧客を増やそうと口座を開設する手続きを簡単にした結果、本人確認が不十分になったことを認めました。ビジネスの拡大を急いだことが裏目に出て、セキュリティーの不備が見過ごされていた形で、今後、信頼を回復できるかが問われることになります。
NTTドコモが手がける「ドコモ口座」は、銀行口座を登録して入金すれば「d払い」で買い物や送金ができるサービスで、この口座を通じて銀行預金の不正な引き出しが相次ぎました。
確認された被害は、10日正午の時点で全国11の銀行で66件、合わせておよそ1800万円に広がりました。
NTTドコモは10日の記者会見で、各社との競争が激しくなる中、顧客を増やすために口座を開く手続きを簡単にした結果、本人確認が不十分となり、悪意のあるユーザーによるなりすましを防げなかったことを認めました。
被害を受けた人に対し全額を補償するとともに、再発防止を徹底するとしていますが、ビジネスの拡大を急いだことが裏目に出て、顧客の資金を守るセキュリティーの不備が見過ごされていた形で、今後、信頼を回復できるかが問われることになります。