- 経済を再生させなければ、財政健全化はない
- 減税には否定的、「社会保障の貴重な財源」-安倍政権で2回増税
自民党総裁選で優位に立つ菅義偉官房長官は11日の記者会見で、今後10年は消費増税は不要との考えを示した。
10日夜のテレビ番組では将来的な消費増税が避けられないと発言していたが、菅氏は発言は10年が経過した「あくまでもその先のことを念頭に置いた話」だと述べた。安倍晋三首相も同様の見解を示していた。
今後の経済財政運営に関しては「アベノミクスを推進し、経済を成長させる。経済を再生させなければ財政健全化はない」と語った。
消費税率は安倍政権で2014年4月に5%から8%に引き上げた。10%への増税は2回にわたって延期したが、食料品などへの軽減税率を導入した上で19年10月に実施した。
10日夜に放映されたテレビ東京の番組では、「消費税は将来的に10%より上げる必要がある」との質問に「〇」と回答。「将来的なことを考えたら行政改革は徹底して行った上で、国民の皆さんにお願いして消費税というのは引き上げざるをえない」と話した。
11日の発言 |
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将来的な消費税の引き上げについて質問があり、少子高齢化社会が進む中であくまでも将来的な話として昨日は答えた。政権発足以来、経済再生なくして財政健全化なしという考え方でアベノミクスを推進し、安倍首相はかつて今後10年くらい上げる必要ないと発言した。私も同じ考えだ。昨日お答えしたのはあくまでもその先のことを念頭に置いた話だ。今後も当面は新型コロナ対策、さらには経済の再生に全力で取り組んでいく。 |
野党各党や自民党内の一部からは消費税の減税を求める意見も出ているが、菅氏は5日のテレビ番組で消費税は「社会保障の貴重な財源」であるとして「今のままでと思っている」と否定的な考えを示していた。
住友生命保険運用企画部の武藤弘明上席部長代理は菅氏の一連の発言について「消費税の引き下げはやらないということを示唆している」と指摘した。
将来の消費増税については政府税制調査会でも8月、野放図な歳出拡大への懸念から、財源として消費増税を中核に据えた議論が必要などとの意見が出ていた。