[ロンドン 13日 ロイター] – 米ネバダ州在住の男性が新型コロナウイルスに再感染した事例が英医学誌「ランセット」で報告されたことを受け、免疫やワクチンの効果を巡る疑念が研究者の間で高まっている。

報告によると、この男性(25)は軽度の症状を発症した後、4月に検査でコロナの陽性が確認された。その後5月終盤に再び症状が現れ、2回目は症状が重かったという。この男性は現在は回復している。

オランダ保健当局も同日、89歳の女性がコロナに再感染した後に死亡したと発表。この女性は骨髄がんを患っていたという。他にも、コロナ再感染はアジアなど世界各地で確認されているが、依然まれなケースとされている。

英リーディング大学の微生物学専門家サイモン・クラーク氏は「コロナ再感染の可能性が一層明らかになりつつある。しかし、どの程度普通に起こり得るかはまだ分かっていない」と述べた。

さらに「人々が容易に再感染するのであれば、ワクチン開発プログラムやパンデミック(世界的大流行)終息の時期や方法を巡る見通しにも影響が及ぶ」とした。

一方、ロンドン大学のワクチン学教授ブレンダン・レン氏は、ネバダ州男性は世界で確認された事例としてはまだ5例目と指摘。「コロナ再感染の可能性はコロナワクチンに完全な保護効果がない可能性を示唆している。しかし、世界の感染者が4000万人超であることを踏まえると、再感染の事例は一握りにすぎず、ワクチン開発の取り組みを阻害することはない」と述べた。