• 日銀総裁が景気後退に言及、米景気対策の選挙前合意にペロシ氏含み
  • 米利上げ予想繰り上げか、ECB総裁が先行き警告、NZ首相は手本
Morning commuters wearing protective masks walk past Chinese flags displayed along Nanjing Road in Shanghai, China, on Friday,  Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

「中国は新型コロナウイルス感染症(COVID19)を基本的に制御した」-。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は事実上のウイルス克服を宣言しました。しかし欧米などで急速に感染が拡大しており、輸出と製造業に景気回復を依存する中国の先行きにも暗雲は立ちこめています。19日発表の中国の7-9月(第3四半期)国内総生産(GDP)は、前年同期比5.5%のプラス成長となり、1-3月に大幅縮小した分を取り戻すと予想されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

下向きのリスク

日本銀行の黒田東彦総裁は、状況が悪化すれば日本経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクがあると警告した。グループ・オブ・サーティ(G30)のウェビナーで、「日本は改善基調をたどるとみられる。だがこの見通しは極めて不透明だ」と指摘。「成長期待が下がり、金融システムが不安定になれば、経済は本格的なリセッションに陥りかねない」と述べた。同ウェビナーでは欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(英中央銀行)の総裁も、経済に対する懸念を表明した。

選挙前に望み

ペロシ米下院議長は大統領・議会選が行われる11月3日より前に追加景気対策法案で合意できるとの望みを失っていないとしたうえで、ホワイトハウスとの協議の期限を20日に設定した。一方、トランプ大統領は対策規模の引き上げに前向きな姿勢をあらためて示した。ペロシ議長のチームは17日夜、ホワイトハウスとの協議の期限を48時間後と設定。ドルー・ハミル下院議長報道官はその後、協議打ち切りの期限は19日ではなく20日いっぱいを意味していると述べた。

タカ派を先取り

米金利市場の一角で、利上げサイクルの起点予想を繰り上げて大きな利益を狙う取引が顕在化してきた。11月の選挙で民主党が大統領と上下両院を制するとの世論調査が増えるにつれ、こうしたオプションが積み上がっている。世論調査通りとなれば、大規模な財政投入による包括的景気対策が講じられ、景気回復を加速させ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標に向けてインフレが高進するというシナリオだ。

崖を警戒

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているユーロ圏で各国が導入を進めている新たな行動制限が、企業や家計の先行き不透明感を一層高めるだろうと述べた。総裁は日中英の中銀総裁を交えての公開討論会で、「財政政策による支援と金融政策の支援の両方を必要な限り継続する必要があることは明白であり、クリフ効果を回避しなくてはならない」と主張した。

他国のリーダー

ポピュリズムが台頭し国民が亀裂を深める時代において、ニュージーランドのアーダン首相が総選挙で地滑り的勝利を収めたのは、多様性を受け入れ取り込むインクルーシブなリーダーの在り方が評価されたことを意味する。モナシュ大学のザレハ・ガザリアン氏はアーダン氏のアプローチについて、「支持層の最大化を望む他国リーダーのお手本となる」と絶賛した。

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