[ロンドン 19日 ロイター] – 主要7カ国(G7)の首脳は19日、中国の「非市場志向」の政策や慣行に対応する共同アプローチを模索し、多国間主義の公正な貿易体制を確実にするとの方針で一致した。
菅義偉首相、バイデン米大統領、イタリアのドラギ首相にとっては就任後初のG7首脳会議となった。
首脳会議後に公表された声明は「全ての人々にとり公正で互恵的な世界経済システムを支持するため、他の諸国、特に中国のような大きな経済を含む20カ国・地域(G20)諸国に関与する」とし、「G7首脳として、非市場志向の政策や慣行に対処するための共同のアプローチについて協議し、全ての国に影響を与える重要な世界的な課題に取り組むため他国と協力する」と言明した。
バイデン大統領は中国を「最も重大な競争相手」との認識を示しているが、声明で中国への言及は1回のみだった。
G7首脳は、新型コロナウイルス対応を巡る協力を強化するとの認識も共有した。
菅首相は新型コロナワクチンについて、途上国も含め公平なアクセスを確保することが不可欠とし、G7として保健分野における保護主義に反対し、民間や国際機関と協力し、ワクチン普及を加速させることが重要と強調した。さらに、ワクチン共有の国際的枠組み「COVAX(コバックス)」への計2億ドルの拠出を表明した。
声明によると、将来のパンデミック(世界的大流行)リスクに対するより強力な防衛が必要で、国際的な保健条約締結の可能性を探ることで一致。同時に、新型コロナ禍からの経済回復を気候変動などへの取り組みと並行して進める「グリーンリカバリー」の推進に焦点が当てられた。
さらに、開かれた経済を擁護し、信頼性のある自由なデータ流通に基づくデジタル経済を活用し、「現代化され、より自由かつ公正な、ルールに基づく多角的貿易体制」を巡り協力すると言明した。
また、議長国の英国のジョンソン首相は、ミャンマーで起きた軍事クーデターやロシア反体制指導者ナワリヌイ氏の拘束などの問題に対し、G7が団結していると強調した。