なお数百万人が失業状態にある。「辛抱強く」いられる-。こう言い続けている米金融当局が、この段階であえて市場寄りの姿勢を示すことが本当に望まれているのか。17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合終了後に、パウエル議長がどのようなリップサービスをするか、どの程度にとどめるのかに関心が集まっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
寒波が原因か
2月の米小売売上高は前月比3%減少。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値(0.5%減)より落ち込みが大きかった。ただ、全土の大部分が厳しい寒波に襲われたことによる一時的な減少の可能性がある。連邦政府による個人向けの新たな直接給付が実施されることもあり、需要は今後数カ月に加速する見通しだ。前月は7.6%増(速報値5.3%増)に上方修正された。
予想外の大幅低下
米国の鉱工業生産指数で製造業は2月に前月比3.1%低下と、昨年4月以来のマイナスとなった。エコノミスト予想は0.2%上昇で、市場の予想外だった。製造業は持ち直しの傾向が続いていたが、サプライチェーンに引き続き問題を抱える中で厳しい寒波にも見舞われ、足踏みする格好となった。自動車生産が8.3%低下と、昨年4月以来の大幅低下。天候要因に加え、世界的な半導体不足が響いた。
仏とイタリアは再び許可も
欧州医薬品庁(EMA)は、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンがもたらす恩恵はリスクを上回ると、前日と同様のコメントを出した。このワクチンを巡っては、接種後に血栓症を発症した事例が報告されたため複数の国が使用を中断し、EMAは安全性データの検証を急いでいる。EMAは18日により正式な勧告を発表する意向。イタリアのドラギ首相とフランスのマクロン大統領は、EMAが安全だと勧告すれば使用を再び許可する用意があると、イタリア政府が明らかにした。
早期利上げの可能性
新たなインフレの波が迫っており、米金融当局は計画よりも早期に利上げを強いられる可能性があると、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツのグレッグ・ジェンセン共同最高投資責任者(CIO)が指摘した。「経済状況やインフレは、市場や米金融当局が予想しているよりも速いペースで調整する」とインタビューで発言。「インフレを織り込む市場の動きは、今起きていることへの過剰反応ではなく、大きな長期的変化の始まりだ」と述べた。
株が10%超調整も
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の3月のグローバルファンドマネジャー調査では、米10年債利回りが2%に上昇すれば株式相場には10%を超える調整が起こり得るとの見方が示された。リポートによると、投資家センチメントは「明確に強気」で、新型コロナは2020年2月以降で初めて、最大のテールリスクとは考えられていない。代わって、インフレとテーパータントラムがいまや最大のリスクと見なされている。
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