- FRB議長が過度のインフレ否定、ダラス連銀総裁は来年利上げ予想
- リラの借入金利急騰、債券に大規模流入へ、カナダが緊急措置を縮小
新型コロナウイルス禍での従業員の負担軽減に向けた取り組みがウォール街で広がっています。若手バンカーの休み確保への取り組み強化を表明したゴールドマン・サックス・グループに続き、シティグループも休暇を取得させるため新たな方針を打ち出しました。一方で単に勤務時間の長さだけではなく、在宅勤務が長期間続いていることによる「孤独感」も従業員に影響しているとの指摘もあるようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
過度のインフレ否定
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、新型コロナの流行が後退し米国民の外出や消費が可能になると見込まれるため、今年は物価が上昇すると予想。ただそれが過剰なインフレを招くリスクは大きくないとの認識を示した。議長は下院金融委員会で、「インフレへの影響は特段に大きくはなく、持続的でもないだろうというのが最もあり得る展開だとみている」と語った。
利上げは来年と予想
米ダラス連銀のカプラン総裁は、米金融当局による来年の金利引き上げを予想する政策当局者の中に自身が含まれると明らかにした。総裁は経済専門局CNBCとのインタビューで連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の金利予測分布図(ドット・プロット)に言及し、「2022年の利上げ開始を予測するドットがいくつかあった。私はそうしたドットの1人だ」と述べた。
1400%
トルコの株式や債券から外国人投資家が撤退を進める中で、通貨リラの市場に巨大なボトルネックが生じている。トルコ資産を売り、リラを受け取った海外ファンド勢は為替ヘッジの解消も急ごうとする。それがリラの翌日物借入金利を極端な水準にまで押し上げ、ブルームバーグがまとめたデータによると、23日は一時1400%に達した。
大規模流入へ
株式相場の上昇と債券の急落を踏まえれば、「四半期末のリバランシングは株式から債券への大規模なシフトになる可能性がある」と、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらが指摘した。リポートによると、リバランシングで株式から米債券への流入総額は約885億ドル(約9兆6000億円)と、歴史的にみて大規模だと説明。過去3年間の四半期の株式リバランシングフローの標準偏差は約670億ドルだとしている。
緊急措置を縮小
カナダ銀行(中央銀行)は、ほぼ1年前に流動性対策で導入した緊急措置を縮小すると発表した。市場機能が改善していることが理由。カナダ中銀は5月10日でタームレポを通じた資金供給オペを打ち切り、別の常設タームレポファシリティーを停止する。グラベル副総裁が明らかにした。コマーシャル・ペーパー、地方債、社債を購入する3つの別のプログラムについては、今後数週間に迎える期限で終了し、延長はしない。
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