菅義偉政権が重視する「孤独・孤立」問題対策が海外メディアから注目されている。担当する坂本哲志1億総活躍相にはロシア、スペイン、韓国、米国の各メディアからインタビュー依頼が殺到。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う「女性の自殺」「孤独死」といった課題に関し、日本の「KODOKU(孤独)」対策を参考にしようとしているようだ。
「それぞれの国が新型コロナでさまざまな問題を抱えている。そこに対するいろんな日本の情報を聞きたいという気持ちが表れていた」
坂本氏は4月27日の記者会見で、各国のインタビューを受けた感想をこう述べた。孤独・孤立対策を担う閣僚の設置は英国に次いで世界で2番目とあって注目度が高まっている。
いち早く取材を申し込んだのはロシア新聞だ。レーニン・アレクサンドル在日支局長はインタビューの趣旨について「孤独の問題は全世界の問題で、ロシアにもある。ただ日本よりは低いレベルだ」と分析する。日本では地域社会のコミュニティーが脆弱(ぜいじゃく)化しているため、孤独感を抱える人が多いのではないかと指摘。「日本政府が今、この問題に取り組んでいることはとても良いこと」と語った。
コロナ禍に伴う失業率の増加で女性の自殺に悩むのが米国とスペインだ。
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」(JILPT)によると、米国の完全失業率は2月に日本が2・9%だったのに対し、6・2%と2倍以上で、スペインは1月時点で16%に上るなど高い水準で推移している。
スペインの「エル・パイス紙」は、女性の自殺理由として非正規雇用や「コロナ解雇」が増えいているとし、日本国内の取り組みや女性への援助を取材。米国のニューメディア「VICE」からは失業に伴う女性の自殺増への対策に加え「以前から女性に負担があったのか、それともコロナが去ったら消える問題か」などの質問が坂本氏に飛んだ。