数年前には「世界にデフレを輸出している」と言われていた中国。4月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比6.8%上昇と、3年半ぶりの大きな伸びでした。米国でも13日に4月のPPIが発表され、同5.8%上昇と加速が見込まれています。昨年水準からのベース効果はあるものの、遂にインフレの時代がやってきたのか。まずは、きょうの米消費者物価指数(CPI)の内容を見極めることになります。市場予想は前年比3.6%上昇。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
働く人求む、過去最高に
米求人件数は3月に過去最高を更新した。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動が再開されるのに伴い、労働需要が急速に増えていることが浮き彫りになった。求人件数は812万件と、前月の753万件から増加。市場予想も上回った。件数は雇用された労働者を200万件余り上回り、この差は過去最大。多くの雇用主が人材確保の難しさを指摘しており、足元の課題を示している。
ほぼ21年ぶりの高水準
ドイツの景気回復に対する投資家の信頼感は5月に大幅上昇し、約21年ぶりの高水準。同国でコロナワクチン接種計画が軌道に乗り出したことが後押しした。欧州経済研究センター(ZEW)の期待指数は84.4と、前月の70.7から急伸。現況指数も改善した。ZEWのバンバッハ所長は発表資料で「感染第3波が減速し、金融市場の専門家は一段と楽観的になっている」とし、「専門家は今後半年間に景気が大きく上向くとみている」と続けた。
原油需要予測を引き上げ
石油輸出国機構(OPEC)は月報で、今年の域内産原油需要の予測を日量23万バレル引き上げ、平均2765万バレルとした。最大のライバルとなっていた米国で産油量が再び減少したことが背景にある。米国の今年の供給見通しは前年比微増から微減へと引き下げ、テキサス州の冬季の大寒波を主因に挙げた。米国などで需要が回復するものの、新型コロナが猛威を振るうインドの落ち込みで相殺されるとの見方も示し、世界全体の今年の需要見通しは変えなかった。
1週間免除
米バイデン政権は3州ならびに首都ワシントンでガソリン販売に関する環境規制の適用を一時的に免除した。北米最大の石油パイプラインが操業停止4日目に入り、東海岸で燃料不足が生じていることが背景にある。ガソリンの揮発性に関する規制の適用を1週間免除すると、環境保護局(EPA)が発表した。適用免除により、製油会社が安価で揮発性の高いガソリンを生産できるようにする狙いがある。通常こうしたガソリンは夏季における販売が禁止されている。
再び飛び回る
JPモルガン・チェースではすでに30ー40人ほどの投資銀バンカーが日常的に出張している。投資銀行部門のグローバル共同責任者ジム・ケーシー氏が明らかにした。ワクチン接種加速に伴い、ウォール街がコロナ禍前に戻りつつあることを示す新たな兆しだ。バンカーの出張先は米国内。ケーシー氏はコロナ禍前ほどの出張の頻度はまだないが、その数は増えているとし、「対面でつながらずに新たなビジネスは獲得できない」と述べた。
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