[26日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のクオールズ副議長は26日、量的緩和の縮小(テーパリング)に向けた議論を始める用意があると表明した。同時に引き続き忍耐が必要になるとも強調した。
米シンクタンクのブルッキングス研究所のイベントで、1970年代のような爆発的なインフレは想定しておらず、雇用が回復する間は金融政策を全力で維持することを目的としたFRBの新戦略に「全面的にコミット」していると確認した。
その上で、どのような政策転換でも「忍耐強くあり続ける必要がある」としながらも、「今後数カ月間の経済成長、雇用、インフレに関して、私の予想が裏切られ、とりわけ上振れた場合、連邦公開市場委員会(FOMC)は今後の会合で資産購入のペースを調整するための議論を始めることが重要になる」と語った。
FRBは昨年12月、最大雇用と物価安定目標の達成に向け「さらに実質的な進展」が見られるまで量的緩和を継続する方針を打ち出した。クオールズ氏は物価のハードルが年内にクリアされるとみられる一方、雇用の回復は遅れており、雇用に関する「実質的な進展」が具体的に何を指すのか、FRBは明確にするよう求められる可能性もあると述べた。
また、労働市場に関しては特定の指標に依存していないため、FRBは「固有のコミュニケーション上の課題」を抱える中で「新たなコミュニケーションが必要となり得る」と指摘した。
実際の利上げについては「なお遠い未来の話」であると強調した。
直近のFOMC議事要旨や最近の当局者発言からは、FRBが緩和縮小の時期を巡って一段と積極的な議論に傾いていることが見受けられる。
クオールズ氏は、時間の経過とともにインフレ圧力が緩和され、育児問題や失業手当の有無など、一部の人々が仕事に復帰するのを妨げる要因も解消に向かうという同僚らの一般的な感覚に同意するとしながらも、インフレリスクが「上向きに偏っている」と指摘。賃金が予想以上に上昇し、価格に転嫁される可能性があるほか、連邦政府の支出が人々の復職や過去最高の貯蓄額と相まって家計の需要を喚起したり、価格上昇が定着する前にサプライチェーンの供給制約(ボトルネック)が解消されない可能性があることを懸念しているとした。