[ニューヨーク 27日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドル指数が狭いレンジ内の値動きにとどまった。ただ、ドルは対ユーロで横ばいとなった一方、対ポンド、対カナダドルでは下落、対円では上昇するなどまちまちの展開となった。
各国の経済見通しや各国中銀による緩和策の縮小時期およびその程度に対する見解の変化によって通貨のパフォーマンスが異なった。
終盤の取引で、米ドルは対円で0.6%上昇した一方、対カナダドルでは0.5%下落。対ポンドでは0.5%安の1.42ドル。対ユーロは0.1%弱下落し1.22ドル。
ドル指数は0.1%安。前日は0.4%高だった。
米労働省が27日発表した22日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は40万6000件と、前週の44万4000件から改善し、2020年3月中旬以来の低水準となった。
また、米商務省が発表した4月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比2.3%増と、市場予想の1.0%増を上回る伸びとなった。国内総生産(GDP)で設備投資の算出に用いられるコア資本財の出荷も底堅く伸び、設備投資の好調な勢いが第2・四半期初めも維持されたことを示唆した。
また、この日は米紙ニューヨーク・タイムズがバイデン大統領が2022会計年度(21年10月─22年9月)の予算教書で、6兆ドルの歳出を求める計画と報道。これを受け、今後の国債発行を巡る懸念が広がり米債利回りが上昇、ドルを支援した。
米10年債利回りは一時1.605%と、前日の1.574%から上昇した。
ドル/円は109.785円で推移。日本政府が26日、5月の月例経済報告で景気は「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とし、総括判断を3カ月ぶりに下方修正したことを受け、円は2日間で1%下落した。
一方、イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のブリハ委員が27日、労働市場の回復が予想以上に速まれば、英中銀は2022年前半にも利上げを行う可能性があると述べたことを受け、ポンドが上昇した。
エクスチェンジ・バンク・オブ・カナダの外為戦略部門責任者、エリック・ブレガー氏は「ポンドはタカ派的な発言に反応し買われた」と指摘。ポンド高がカナダドルの対米ドルでの上昇につながったと述べた。
オフショア人民元は一時1ドル=6.368元まで上昇。中国人民銀行がこのところの元高を容認しているとみられたことから、市場では一段上昇の見方が強まった。
市場は28日に発表される米インフレ指標を注視している。4月のコア個人消費支出(PCE)価格指数のエコノミストは前年比2.9%上昇となっている。3月は前年比1.8%上昇していた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1%安の3万8808ドル。イーサは約5%安。
ドル/円
NY終値 109.80/109.83
始値 109.13
高値 109.92
安値 109.09
ユーロ/ドル
NY終値 1.2192/1.2196
始値 1.2203
高値 1.2211
安値 1.2180