[東京 27日 ロイター] – 東京都は27日、新たに2848人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。1日の感染確認者としては1月7日の2520人を上回り、過去最多となった。前週火曜日は1387人だった。
直近7日間移動平均は前週比49.4%増の1762.6人。27日時点の重症者数は前日より4人増えて82人となった。
感染者の急増によって、病床のひっ迫懸念も指摘されている。一方、菅義偉首相はオリンピックの中止の選択肢はない、との考えを示している。
感染拡大は全国でも広がりを見せており、大阪府ではこの日、新たに741人の新規感染が確認された。NHKによると神奈川県で758人、埼玉県で593人、沖縄県で354人、兵庫県で260人の感染が新たに確認された。
東京都の小池百合子知事は27日、このところの感染者の拡大を受けて「病床の確保を進めている」と語った。
TBSによると、東京都は26日付で都内の医療機関に対し、通常診療の制限も視野にコロナ病床を確保するよう要請した。
通知は、コロナ患者用の病床をさらに確保するよう要請するもので、救急医療の縮小や停止、予定手術の延期、診療機能の縮小など通常診療の制限も検討するよう求めているという。
医療関係者は新規感染者の急増について、デルタ株の流行によって感染者が増加傾向にあったことに加え、夏休みやオリンピック開催によって人流が増えたことが要因との見方をしている。
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の桝井良裕医師は、患者の急増が顕著になったのは先週からだと指摘。「緊急事態宣言がこれ以上の経済的な圧迫は厳しいという理由から緩和されたのと、連休や夏休みなどで人の流れが増えているというのが大きい。オリンピックも人流を増やす要因だった」と話す。
桝井氏によると今回の特徴は30代から50代の若い患者が増えていること、急に重症化する傾向にあることという。西部病院ではコロナ患者用に22病床を用意しているが、重症者が出ることなどで、病床に余裕がなくなってきているという。
菅首相は同日、新型コロナ対策関係閣僚との会議後、官邸で記者団からこうした状況下でオリンピックを続けて大丈夫かと質問され「車の制限とかテレワークによって人流は減少している。そういう心配はない」と答えた。