ブルームバーグのワクチントラッカーによると、ブラジルで新型コロナウイルスのワクチン接種を少なくとも1回受けた人の割合が全人口の約63%となり、米国の62%を上回りました。ボルソナロ大統領が「ただの風邪」と言うなど対策が遅れていた印象でしたが、州・自治体中心の大規模な接種システムの構築が奏功したようです。ドイツやフランス、英国などではこの割合は65%以上となっており、ここへきて米国の減速感が浮き彫りになっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

予想を大幅に下回る

ADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の米民間雇用者数は前月比37万4000人増と、市場予想(62万5000人増)に届かなかった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを下回り、労働市場回復ペースの減速が示された。企業の人材確保が依然困難であることを映すとともに、新型コロナウイルスのデルタ変異株まん延が影響したとの指摘もエコノミストから聞かれた。

供給障害の影響も

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数は市場予想に反して上昇し、活動拡大ペースの堅調さを示した。指数は59.9。前月は59.5で、市場予想で8月は58.5への低下が見込まれていた。ただ今回の上昇は、新規受注と生産の伸びに加え、受注残が押し上げた形。受注残は68.2と、統計開始後で2番目の高水準。世界の製造業に混乱をもたらしている供給障害の長期化が示唆された。

漸進的な引き上げ方針維持

石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、月間の原油生産水準を漸進的に引き上げる既存の計画を維持していくことで合意した。担当閣僚らは、引き続き供給量を月ごとに日量40万バレルずつ増やすことで一致。オンラインで行われた会合は1時間足らずで終了した。次回会合は10月4日に開催する。

「ミュー株」感染、国内で初確認

新型コロナ変異株「ミュー株」の感染が国内で初めて確認された。厚生労働省が1日、2つの症例が見つかったと発表した。ミュー株は南米コロンビアで初めて報告された変異株で、世界保健機関(WHO)が8月末、注目すべき変異株(VOI)に位置付けた。厚労省によると、アラブ首長国連邦(UAE)に滞在し6月26日に成田空港に到着した40代の女性と、英国に滞在して7月5日に羽田空港に到着した50代の女性がミュー変異株に感染していたことが分かった。2人とも無症状だという。

つばぜり合い

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのワイトマン・ドイツ連邦銀行総裁は、インフレが現在想定されている以上に加速するリスクをECB当局者は無視してはならないとの考えを示した。政策決定を来週に控え、熱を帯びつつある議論に加わった。一方、同じく政策委メンバーであるギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は、ユーロ圏のインフレ高進をECBは深読みするべきではないとの見方を示した。政策委のタカ派メンバーと慎重派との間で議論が白熱する可能性が示唆された。

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