[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが上昇。米連邦準備理事会(FRB)当局者から量的緩和縮小(テーパリング)の年内開始見通しを支える発言が出てくるかが注目される中、3カ月ぶりの高水準を付けた米債利回りの動きに追随した。

28日に行われるパウエルFRB議長の議会証言に注目が集まる。イエレン財務長官も同証言に臨む。

また27日には、ブレイナードFRB理事が米雇用はFRBが資産買い入れ削減を開始する基準に「まだ少し足りない」と述べ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が秋にかけて雇用に及ぼすリスクを強調。一方、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米経済の改善が予想通り継続すればFRBは資産買い入れペースの縮小を間もなく開始する可能性があると述べたほか、シカゴ地区連銀のエバンス総裁も、米経済はテーパリング開始に向けた基準を間もなく満たし、利上げが正当化されるのは2023年後半になるとの見解を示した。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.1%高の93.37。

TDセキュリティーズのシニアFX戦略のマゼン・イッサ氏はリサーチノートで「テーパリング自体はサプライズではなく、量的緩和の早期終了はドルへの下方リスク軽減につながる」と述べた。

8月の米耐久財受注統計で民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月から0.5%増と、予想を上回ったことも、ドルへの追い風となった。

ユーロ/ドルは0.1%安の1.1698ドル。ドイツ総選挙の結果はさほど材料視されなかった。

ドル/円は0.3%高の110.99円。一時3カ月ぶり高値に迫った。ドルは対スイスフランでも0.2%高の0.9259フラン。

テンパスのFXストラテジスト兼トレーダー、ファン・ペレス氏は「ドルが現水準から下落する明確な理由はない」とした上で、今週はドイツや日本で誕生する新政権、米議会の動向などが注目材料になる見通しとした。

中国の不動産開発大手、中国恒大集団を巡る懸念が後退する中、リスクに敏感な豪ドルは対米ドルで0.4%高の0.7289米ドル。

中国人民銀行は27日、リバースレポで1000億元(155億ドル)を供給した。

ドル/円 NY終値 111.00/111.03

始値 110.90

高値 111.06

安値 110.79

ユーロ/ドル NY終値 1.1694/1.1698

始値 1.1707

高値 1.1710

安値 1.1690