• イエレン氏は来年半ばまで高インフレを予想、中国成長目標に黄信号
  • トルコ大統領の強硬発言、中国が感染悪化を警告、伊銀行問題が再燃

特別買収目的会社(SPAC)を通じたメディア企業上場計画で、トランプ前米大統領の動向が注目されるようになってきましたが、もう一人の大統領経験者も動き始めました。バラク・オバマ氏は週末にバージニア、ニュージャージー両州で遊説。11月2日に投開票の州知事選を前に、民主党候補の応援に駆けつけ熱弁を振るいました。リベラル派やマイノリティーの間で今も圧倒的な人気を維持するオバマ氏。バイデン大統領の支持率が落ちているだけに、ノーベル平和賞のお墨付きを得た演説のうまさに期待が集まっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

「一時的」の定義

イエレン米財務長官は物価上昇率の高い状態が2022年半ばまで続くとの見通しを示した。現在の状況は「一時的」な痛みを反映しているとして、新型コロナウイルス禍に起因する供給面でのボトルネックや米労働市場の逼迫(ひっぱく)といった問題が改善するにつれ、インフレは鈍化していくとの予想を示した。また「米国がインフレに対するコントロールを失いつつあるとは考えていない」と言明し、米国などがインフレリスクに十分留意していないとするサマーズ元財務長官の批判に反論した。

歴史的な経済再構築

バンク・オブ・アメリカ(BofA)やシティグループは、中国の今年の成長率がコンセンサスの8.2%に届かないと見込み、鈍い成長は来年も続き5%を下回りかねないと警告する。2020年の2.3%を除けば、約30年ぶりの低い成長ということになる。BofAのストラテジストらは、鄧小平氏が1970年代後半に打ち出した改革開放路線や、朱鎔基氏による1990年代の国有企業改革と金融改革に匹敵するような数十年に1度の経済の再構築を習主席が考えている可能性に言及。先週の顧客向けリポートで、今年の成長率を7.7%、来年を4%とする見通しを示した。

売り警戒

トルコのエルドアン大統領は演説で、米独仏を含む西側10カ国の駐トルコ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定すると表明。国外追放を警告した。10カ国の大使は共同で、有名実業家で慈善家でもあるオスマン・カバラ氏の釈放を求めていた。対象となるのは3カ国に加え、オランダ、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、カナダ、ノルウェー、ニュージーランド。 トルコ・リラは25日早朝のアジア市場で、一時1%を超える下げとなった。

悪化見通し

中国国家衛生健康委員会の当局者は新型コロナウイルスの新規感染者が向こう数日間に増加し、感染地域の拡大が続くとの見方を示した。現在広がっている感染は国外から持ち込まれたデルタ変異株によるものだと指摘。10月17日からの1週間に感染地域は11省に広がり、これらの地域には「緊急モード」の導入が促されたという。北京日報によれば、31日に予定されていたマラソンは中止。感染地域から北京への入域は禁止されている。

振り出しに戻る

イタリアが国有化した銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの買収を巡り、大手銀行のウニクレディトが経済財務省と行ってきた交渉は合意に至ることなく終了した。両者が24日、共同で声明を発表した。資本注入の規模などについて双方が満足できる合意を見いだせなかったという。イタリア政府はこれを受けて、年末に設定されているモンテ・パスキの持ち分売却期限の延長を欧州連合(EU)に要請する準備を進めている。

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