石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は生産引き上げ計画の継続で合意しました。ただ、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の影響が出れば計画を見直す方針も示し、両にらみの構えです。オミクロンへのワクチンの有効性はあと数週間で判明するとみられ、この新たな変異株の感染力と致死性は原油相場の行方にも影響しそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

供給拡大計画を維持

OPECプラスは1月も原油供給を日量40万バレル増やす計画で合意した。その上で、オミクロン変異株が需要に及ぼすリスクが明確になれば、供給拡大をいつでも見直す可能性があることを示した。供給拡大の見送りが広く予想されていたが、見送れば米国とサウジアラビアの関係がさらにこじれる可能性があった。ニューヨーク原油先物は一時4.8%安となったが、供給調整の余地が残されていることが分かると、上げに転じた。

2例目

新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界的に広がる中、米ミネソタ州在住の成人男性の感染が確認された。米国での感染としては2例目。米製薬会社ファイザーは同社のワクチンが同変異株に対しても効果があるとみており、ワクチンの有効性を示すデータは2-3週間以内に入手可能との見通しを示した。ニューヨーク州のコロナ新規感染者は1万1300人と、1月以来の最多となった。

上場廃止に近づく

米証券取引委員会(SEC)は外国企業に米当局の会計監査受け入れを義務付ける新規則について、導入に向けた最終的な計画を発表した。会計監査を受け入れない場合、3年以内にニューヨーク証券取引所(NYSE)またはナスダックから上場廃止となる恐れがある。米当局は2002年からこの要求を行っているが、受け入れていないのは中国と香港の企業だけだ。新規則が導入されれば、200社余りが米市場から締め出される可能性があり、アリババグループや百度もこれまで米当局の監査を受け入れてこなかった。

利上げ前倒し

米アトランタ連銀のボスティック総裁は資産購入を来年1-3月期(第1四半期)末に向けて終了させることは「われわれの利益にかなう」と述べた。「利上げ前倒しが適切となるかもしれない」と発言。「そうだとすれば、その選択肢がなくてはならない」と話し、資産購入の早期終了で、政策金利を引き上げる柔軟性が拡大すると主張した。同総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で議決権を持つ。現時点では来年1回の利上げを見込んでいるものの、これが増えるかもしれないとも述べた。

ゼロエミッション車に限定

トヨタ自動車は欧州で販売する自動車をゼロエミッション車に限定する準備を2035年までに整える方針を示した。欧州連合(EU)が掲げる温暖化ガスの大幅削減計画に合致する。同社は2030年末までに西欧で販売する自動車の半数以上をゼロエミッション車とする新たな中期目標も設定した。ハイブリッド車で大きく成功しているトヨタも、欧州の一部消費者はまだ完全なEV車に移る準備ができていないと主張するのは難しい状況となりつつある。欧州で今年1-9月に登録された完全なEV車は80万台余りと、前年同期から90%超の増加となった。

その他の注目ニュース

MLBがロックアウト突入、新たな労使協定で合意できず

米FTCがエヌビディアのアーム買収阻止のため提訴

ソフバンクG出資グラブ、ナスダック上場初日に株価急落