主要7カ国(G7)の外相は英リバプールでの会合後、ウクライナ国境周辺で軍備を拡大するロシアに対して警告を発しました。ロシアのプーチン大統領は米国がオバマ民主党政権時代にクリミア半島を併合しているだけに、同じ民主党のバイデン大統領の出方をうかがっているようにもみえます。アフガニスタンからの米軍撤退で不手際を起こしたバイデン大統領にとって、来年の中間選挙を前に外交でのこれ以上の「失点」は許されません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
多大な結果
G7外相は共同声明で、ロシアにウクライナ国境周辺での活動を縮小するよう求め、さもなければ「多大な結果」に直面すると警告。「ロシアの軍備増強およびウクライナに対する攻撃的な発言を非難することで一致した」と表明した。米国はロシアが侵攻を計画しており、来年早期に実行される可能性があると数週間にわたって警告していた。プーチン大統領は侵攻する意図はないと否定している。ブリンケン米国務長官はロシアが行動した場合の対抗措置の一つとして、海底ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の活用を示唆した。
自ら違反
ジョンソン英首相は1年前に新型コロナのロックダウン規則を自ら破っていたと、英紙ミラーが報じた。それによると、同氏はロンドンで他世帯との交流が禁止されていた昨年12月15日に首相官邸でオンラインのクリスマスクイズを主催。少なくとも側近2人と写っている写真が掲載されている。一連の疑惑で保守党議員の怒りを買っているが、さらなる憤慨を招く恐れがある。
独立否決
フランス領のニューカレドニアで12日実施された独立の是非を問う住民投票では、反対が圧倒的多数を占め、マクロン仏大統領が勝利する格好となった。AFP通信の報道によると、独立反対は96%を超えた。ただ、独立賛成派の先住民の指導者らが住民投票へのボイコットを呼び掛けたことから、投票率は低かった。ニューカレドニアはこの地域におけるフランスの軍事司令部の役割を果たしているほか、中国との緊張が高まりつつある中で、太平洋へのアクセスをフランスに与えている。
会合相次ぐ
今週は米国と欧州、英国、日本の中央銀行がそれぞれ金融政策決定会合を開くが、政策運営の相違が示されそうだ。スイスやノルウェー、メキシコ、ロシアなど約16行も決定会合を開く。直近の不確定要素は新型コロナウイルスのオミクロン変異株だ。経済成長やインフレへの影響がどれほど深刻か中銀当局者は来年にかけて極めて重要な検討を加えることになる。米連邦公開市場委員会(FOMC)は1カ月前に計画していたよりも、資産購入のテーパリング(段階的縮小)を加速させる方向に傾いている。欧州中央銀行(ECB)は緩和的な政策スタンスを維持するとみられる。
追加措置を取らなければ
英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)が11日に公表したリポートによると、英政府が追加的な予防的措置を取らなければ、新型コロナウイルスのオミクロン変異株がイングランドで相次ぐ感染拡大を引き起こし、今冬のコロナ死者が7万5000人近くに達する恐れがある。英政府がオミクロン株対策で先週実施した「プランB」の下で、最も楽観的なシナリオでも今年12月から来年4月までにイングランドで入院患者は約17万5000人、死者2万4700人と示唆されている。最悪のシナリオでは死者が7万4800人に上るという。ジョンソン首相は12日夜の会見で、国民に追加接種を促した。
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