米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の予測中央値では、2022年に3回の利上げが実施されるとの見通しが示されました。利上げか据え置きかで見解が二分していた前回9月の予測からは様変わりし、2回と見込んでいたエコノミスト予想をも上回りました。ただ、前日までに2日連続で下げていた米国株は上げに転じました。来年の利上げを既に織り込んだとすると、再び上値を追う展開になる可能性も否定できません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
2倍に加速
FOMCは毎月実施している資産購入について月額300億ドルのペースで縮小させることを決定。縮小ペースを従来の2倍に加速させる。このペースで進めると、資産購入プログラムは22年早期に終了する。当初は同年半ばの終了を予定していた。今回の金利予測分布図では23年にも3回、さらに24年に2回の利上げが適切になるとの当局者の認識が示された。この予測に基づくと、フェデラルファンド(FF)金利は24年末までに2.1%となる。
インフレが消費抑制
11月の米小売売上高は前月比0.3%増加と、市場予想(0.8%増)よりも低い伸びにとどまった。高インフレを背景に消費行動が抑制されつつある状況が示唆された。多くの消費者がサプライチェーンの混乱を意識して、例年より早い時期にホリデーシーズンの買い物を済ませたことも反映している可能性がある。電子製品・家電販売店の落ち込みが目立った。電子商取引を含む無店舗小売りは、ほぼ横ばい。
過去最多
英国の新型コロナウイルスの新規感染者数は7万8610人と、パンデミック(世界的大流行)となって以降の最多となった。香港大学の研究では、オミクロン株はデルタ株や変異前ウイルスに比べ、約70倍のスピードで他人に感染するとの分析結果が示された。一方で症状はそれらに比べてずっと軽い可能性が高いという。オミクロン株の出現で空の便は運休の動きが再び広がっている。
選別が肝要に
2022年初頭、世界の株式市場は変動が高くなると、ブラックロック・ファンダメンタル・エクイティーズがリポートで予想した。インフレ懸念の深まりに伴い債券利回りが徐々に上昇する見通しだという。株式は通年では1桁台後半のリターンを見込んでいる。銘柄「選別がより重要になる」と指摘。バランスシートが健全な企業や価格決定力を持つ企業を推奨した。電気自動車(EV)関連の半導体メーカーなどを有望な投資対象に挙げた。
退社を協議
ソフトバンクグループの幹部アクシェイ・ナヘタ氏が退社に関して協議中だと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同氏はこれまで、同社での複数の大型案件に関わってきた。ナヘタ氏は自身が立ち上げたロングオンリーのファンドに集中するため、ソフトバンクGの顧問となることに関して交渉しているが、最終的に同社にとどまる可能性もあるという。ソフトバンクGでは昨年3月以降、7人のマネジングパートナーが退社している。
その他の注目ニュース
JPモルガン、ピント共同社長に株式報酬を付与-約2500万ドル相当
モデルナ、追加接種でオミクロン株を中和する能力大幅上昇