今年の米利上げは3回か、それより多いのかと1月11日の上院公聴会で議員に問われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「正直に言って分からない」と回答。「実際のところ、成長とインフレの両方にリスクがある」と指摘し、経済状況を極めて注意深く観察し、俊敏に政策を順応させていく必要があると述べました。この2つのリスクにウクライナなどを巡る地政学リスクも加わり、先行き不透明感が強まる中、アナリストからはリセッション(景気後退)を懸念する声も出始めました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
いつでも動ける
米国防総省のカービー報道官は、必要なら北大西洋条約機構(NATO)部隊を支援するため8500人の米軍部隊の準備態勢を高めたと明らかにした。現時点では同部隊の展開で決定を下していないという。NATO部隊が始動する場合に備えていると述べた。
株式の冬
モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は、1月の米株式相場下落は金融引き締めと成長減速による下落を見込む同氏の見方に一致すると指摘。同氏らストラテジストはリポートで、一段の下落見通しを示し、市場に「冬が来た」と記述。下落の主な要因として、景気減速の懸念が米金融政策を巡る不安に取って代わると主張した。景気にはまだ大きな減速の余地があり、株式市場はまだそれを織り込んでいないとして、「強気になるには時期尚早だ」と論じた。
失速寸前
IHSマークイットが24日発表した1月の米総合購買担当者指数(PMI)速報値は50.8と、前月から6.2ポイント低下し、18カ月ぶり低水準となった。同指数は50を上回ると活動拡大を示す。サービス業の活動指数も低下し、2020年7月以来の水準に落ち込んだ。労働力不足や従業員の欠勤などで活動が抑制された。製造業の指数は比較的小幅な下げにとどまったが、なお20年10月以来の低水準。一方で先行きの生産を示す指数は約1年ぶりの高水準となり、サプライチェーンの問題が徐々に和らぎ始めていることが示された。
減産拡大
トヨタ自動車は仕入れ先での新型コロナウイルス感染拡大により部品供給が不足していることから、一部工場の稼働停止を2日間延長すると明らかにした。これまで約4万7000台としていた1月の当初計画比の減産規模は、約6万5000台に拡大する。トヨタが25-26日に稼働停止するのは国内11工場19ライン。停止期間中に使用する予定だった部品の活用で2月に予定していた稼働停止は8工場11ラインから6工場7ラインに縮小。主力の堤、田原工場での停止はなくなる。
「開かれた英国」
英国は新型コロナワクチン接種が完了した渡航者に、入国後の検査を義務づけない。入国の航空機に搭乗する前の検査義務はすでに解除していた。英国は新型コロナの感染拡大をエンデミック(地域的流行)と見なし始めており、行動制限の緩和を進めている。ジョンソン首相は「ワクチン接種が完了している人は、入国後にコロナ検査を受ける必要がなくなる」とし、英国がビジネスや旅行者に開かれているということを示すためだと説明した。
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