新型コロナウイルスの感染状況が改善する米国では、大手金融機関がオフィス復帰を再び呼び掛けています。ただ、出社の是非を巡る会社の判断に対する従業員の不信感は高まっているようです。調査会社モーニング・コンサルトが毎週実施している調査では、オフィス復帰で雇用主が正しい判断を下していると考える在宅勤務者の割合が過去12カ月で最低を記録。幹部の4分の3が在宅勤務方針は「非常に透明性が高い」と考えている一方、それに同意する従業員は半数未満。経営陣と現場の断絶。これもある意味、コロナ後遺症の1つと言えるかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
米利上げ開始へ
米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26両日に開催した定例会合で、利上げ開始が「近く」適切になるとの認識を示したほか、利上げ開始後に債券保有を縮小すると示唆した。高インフレと闘うため、新型コロナ禍への対応として導入した超緩和策の終了に向けて動き始める。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、毎回のFOMCで金利を引き上げる可能性を否定しなかった。
事態打開なるか
米政府はロシアによる軍事行動の脅威が高まっていることを理由に、ウクライナに滞在する米国の民間人に対して即時退避の検討を促している。一方、ロシアによる安全保障を巡る要求に米政府は書面で回答した。ブリンケン国務長官は、ロシアのラブロフ外相との「数日以内」の会談を期待していると語った。
半年以内に再編計画
中国の不動産開発大手、中国恒大集団は債権団と電話会議を開いたことを届け出で明らかにした。届け出は「ステークホールダーの権利を守るための事業再編計画を策定することを視野に、当社グループの状況を精査する」と説明。「引き続き債権団の意見と提案に注意深く耳を傾ける意向だ」としている。
暴落予想より不穏
著名バリュー投資家のジェレミー・グランサム氏は、米国株が「スーパーバブル」の状態にあると指摘して市場の注目を集めたが、今度はさらに厳しい警告メッセージを発している。25年間続いた「ゴルディロックス(適温状態)」時代は終わりを迎えつつあり、世界はインフレと成長鈍化、労働力不足という将来に備える必要があるとの見解を示した。
1億ドルの損失
英銀バークレイズは昨年12月、大型の企業買収案件が不成立に終わったこととスウェーデン・クローナの下落で1億ドル(約114億円)前後の損失を被った。事情に詳しい関係者が匿名で明らかにした。米投資会社とシンガポールのGICが同月にスウェーデンのバイオテクノロジー企業の買収から撤退し、バークレイズは為替ヘッジが裏目に出たという。
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