[ニューヨーク 31日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが下落。先週の大幅高を受けた利益確定の売りが広がる中、1日としてはは昨年11月以来の大幅な下げを記録した。

連邦準備理事会(FRB)が今年は積極的な利上げに動くとの観測から、ドルは先週1年半ぶり高値を付けていた。

金融市場では31日終盤時点で、年内に5回弱の利上げ(約121ベーシスポイントの引き締め)予想が織り込まれた。また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利上げが実施される確率は17%と、先週末の32%から低下した。

米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイント(bp)の利上げは「私が好む政策行動ではない」と述べた。

主要通貨に対するドル指数は0.7%下落した。1月は月間で約1%上昇した。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏はリサーチノートで「FRBが今年5─7回の利上げを実施するとみられる中、ドルの優位性はほぼ織り込まれた」とし、より積極的な引き締めに動く他の主要国通貨に対し幾分弱含む可能性はあると述べた。

2月4日発表される1月の米雇用統計にも注目が集まる。ロイター調査によると、非農業部門雇用者は15万3000人増に伸びが鈍化し、失業率は3.9%で横ばいとなることが予想される。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「1月雇用統計が精彩を欠く内容となることが予想される中、ドルの上昇は現時点でピークに達したようだ」と述べた。

豪ドルは1%高の0.7068米ドル。2月1日にはオーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策決定会合を開催する。

ドルは対円 でも0.2%下落し、115.045円。

ポンド/ドルは0.4%高の1.354ドル。ロイター調査によると、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は2月3日の会合で追加利上げに踏み切る見通し。

ユーロ/ドルは0.8%高の1.1240ドル。2カ月ぶりの大幅な上昇率となった。3日に開催される理事会で政策変更は予想されていないものの、FRBの行動を踏まえた動きが注目される。