各国・地域の中央銀行は過度に積極的な利上げを余儀なくされる。自らの信頼を取り戻すためだけに-。ゴールドマン・サックス・グループの元チーフエコノミスト、ジム・オニール氏がこう予想しています。対応が遅れることで結局は行き過ぎとも思える政策を強いられるとの懸念は、以前から言われてきたこと。BRICsの名付け親として知られる同氏はインフレ急加速について今週、当局者は「実際に何が起きていて、どうなるか全く分かっていない」と手厳しく発言。米10年債利回りは8日、1.97%に上昇しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
2%は通過点か
米連邦準備制度の急激な利上げへの観測が高まる中、米国債売りが拡大し10年物利回りは2%を超えて上昇すると見込まれている。シティグループは同利回りが近く2%を超えると予想。マシューズ・インターナショナル・キャピタル・マネジメントは2.5%に向かうとし、JPモルガン・アセット・マネジメントは年内に3%を試す可能性もあるとしている。みずほ銀行の経済・戦略責任者、ビシュヌ・バラサン氏は「時間の問題だ。欧州中央銀行(ECB)までタカ派転換の大合唱に加わったのでは、米国債を支えるものがあるとは考えにくい」と述べた。同氏は10年債利回りが2.5%を試すとみている。
水面下の乱流
米株式市場は見掛けよりもリスクが高まっている恐れがあると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストが指摘した。ゴンザロ・アシス氏率いる同行の株式デリバティブアナリストは8日のリポートで、今年に入ってからの日中での激しい相場変動と単一銘柄の大幅な値動きは、水面下での「乱流」発生を示していると指摘。「米株は綱引き状態となっている。力強い企業収益および経済成長と、ここ数十年で最も市場に優しくない米金融当局との間でだ」と分析した。
ほぼ100%のシグナル
JPモルガン・チェースのストラテジストは、株式相場は上昇が見込まれるとの主張を補強する上で、ほぼ間違いないと同行が説明する指標を特定した。ミスラブ・マテイカ氏が率いる同行ストラテジストによれば、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)が1カ月移動平均を50%余り上回る水準に上昇した場合に買いシグナルが現れる。この指標は過去30年間にわたり、リセッション(景気後退)期を除けば100%正確だという。VIXの同シグナルが現れたのは1990年以降で21回。S&P500種株価指数はその半年後に平均9%上昇した。
巣ごもり需要
2021年の米貿易赤字は記録開始後で最大となった。消費財の輸入額急増を反映した。コロナ禍の影響でサービスへの支出が抑制され、財への支出が増えたことが背景。財とサービスを合わせた年間の貿易赤字は26.9%増の8591億ドルと、2年連続で拡大した。政府の経済対策をきっかけとした貯蓄の積み上がりやドル高を追い風に、巣ごもり需要などが増えた。
ボーナス総額を削減
クレディ・スイス・グループは、2021年分のボーナス総額を約10%削減する。同年の業績が金融危機以来の不振だったことを受け、規制当局がボーナス増額に反対したためだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。内部事情に関する話だとして匿名で語った関係者によると、スイス連邦金融市場監督機構からボーナス総額の大幅縮小を検討するよう要請があり、増額計画を反転せざるを得なくなった。最終的な数字はまだ小幅に変化する可能性があり、個人の支給額は所属部署によって変わると関係者は述べた。
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