開催中の北京冬季五輪には91カ国・地域が参加していますが、「ゼロコロナ」を追求する中国は国外との往来をまだ全面的に再開してはいません。1月下旬時点では、中国の空港を離陸した飛行機の99%が国内便でした。わずかに運航されている中国発の国際便も大半は近距離路線のため、世界のジェット燃料需要のうち同国が占める割合は昨年5月の21%から、今年5月には13%に落ち込む見通し。この大国の行動が国際商品相場に及ぼす影響が気になります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
制限緩和の動き、続々と
ニューヨーク州は新型コロナウイルス感染拡大抑制のために講じていた屋内でのマスク着用義務を10日に解除する。ホークル知事が述べた。イリノイ州でもプリツカー知事が、屋内公共施設でのマスク着用義務を28日に解除する意向を示した。ジョンソン英首相は、イングランド住民を対象に、陽性者に対する自主隔離の法的義務を今月で撤廃する計画だと明らかにした。一方、香港の9日の新規感染者は過去最多の1161人となり、前日の625人から急増した。
ECB政策委員が不信感
欧州中央銀行(ECB)政策委員会で、ECBが発表済みの現在のインフレ予測に不信を示す委員が増えている。この不信が年内の利上げに向かうタカ派シフトを後押ししていると、事情に詳しい当局者が明らかにした。チーフエコノミストのレーン理事は、スタッフによる予測は信頼でき、最新のモデルが活用されているとして強く擁護。だが、複数の委員は変化の速い不透明な環境でこの予測に依存し過ぎるべきではないと主張している。同理事は、インフレに政策当局者が動じるべきではなく、管理不能な物価上昇に陥る見通しはないという比較的ハト派の見解だ。ECBの予測モデルに対する疑いはこの見解への批判でもあるという。
初の黒人女性起用
米ボストン連銀はミシガン大学のスーザン・コリンズ教授が次期総裁に就くと発表した。7月1日付で就任する。地区連銀総裁に黒人女性が起用されるのは初めて。マサチューセッツ工科大学で経済学博士号を取得したコリンズ氏は、昨年9月に辞任したエリック・ローゼングレン前総裁の後任となる。ボストン連銀総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で議決権を有している。1月会合ではフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が代わりに投票していた。
前回より速いペースで
米クリーブランド連銀のメスター総裁は2015年に比べてインフレはかなり高く、労働市場もずっとタイトであるため、政策金利をより速いペースで引き上げることが適切になるとの見方を示した。3月の利上げ開始を支持するとした1月のコメントを繰り返した。バランスシートについては、縮小過程において住宅ローン担保証券(MBS)を売却することに支持を表明。ポートフォリオ構成における米国債の比率を高めることが目的だという。
下期に正常化か
世界最大級の海運会社APモラー・マースクは、世界経済を動揺させているサプライチェーンの問題は数カ月後には正常化している可能性があると示唆した。同社のソレン・スコウ最高経営責任者(CEO)は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)期間の大半で続いた海運の滞りは今年下期に解消され始めると予想。ブルームバーグテレビジョンのインタビューで「今年上期は極めて好調だと予想する。下期の初めには正常化と呼べる状態になると見込んでいる」と述べた。
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