[キエフ 1日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は1日、ロイターとCNNの共同インタビューに応じ、ロシアとの有意な和平協議を実施するには、ロシアが爆撃を停止する必要があるとの考えを示した。
両国は2月28日、侵攻後初めての停戦交渉をウクライナ国境に近いベラルーシのゴメリで実施したが、双方の隔たりは大きく、合意に至らなかった。ロシア国営タス通信は、2日に2回目の停戦交渉が行われると報じている。
厳重な警備体制が敷かれる政府施設でインタビューに応じたゼレンスキー大統領は、ロシアと停戦協議を続ける条件について「少なくともウクライナ国民に対する爆撃を停止しなければならない。爆撃を停止し、交渉の席に着いてほしい」と述べた。
ロシア軍による攻撃は1日も各地で続き、第2の都市ハリコフ中心部がミサイルで攻撃されたほか、首都キエフではテレビ塔が攻撃を受けて5人が死亡した。
<NATOでなくとも安保を>
また、ゼレンスキー大統領は北大西洋条約機構(NATO)に対し、ロシア軍機の飛行を阻止するために飛行禁止区域を設定するよう呼び掛けた。飛行禁止区域の設定は予備的措置で、これによりNATOがロシアとの戦争に引きずり込まれることがなくなると指摘。ただ、米国のバイデン大統領は自身に対し個人的に、まだ設定する時期ではないとの見解を示したと明らかにした。
その上で、ウクライナが陥落すればロシア軍はNATO加盟国の国境に迫ると指摘。NATOがウクライナの加盟を認めないなら、法的拘束力のある安全保障を提供するよう要請すると述べた。
<最後まで戦う>
ウクライナ支援に資金提供を表明している欧米などに迅速に行動するよう要請。「毎日支援が必要だ」とし、「議論している暇はない」と訴えた。
現在の執務態勢についての質問には、「働いて、眠る」と説明。子どもたちに2日間会っていないとし、感情的な様子も見せた。
また、いつまで持ちこたえられるかと聞かれると、「私たちは我慢しているのではなく戦っている。私たちは自分たちの国土と故郷を守っている。子どもたちの未来のために」と答えた。
子どもたちが犠牲になっているとも述べ、「私たちには守るべきものがあり、生きる権利を守っている。彼ら(ロシア人)はここで何をしているのか。殺すため、死ぬためにここに派兵されてきた。だから、われわれは自分たちの国でより強くあり、さらに強くなる」と強調した。