ウクライナとロシアの代表は3回目の交渉を行いましたが、大きな進展はありませんでした。プーチン大統領が6日、ウクライナが要求を受け入れるまで戦争を続けると主張していたこともあり、期待値は当初から低かったものの、交渉は継続されるようです。柔道家としても知られるプーチン大統領。尊敬する柔道の創始者、嘉納治五郎の「自他共栄」という理念をどう受け止めているのでしょうか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
交渉は継続
ウクライナのポドリャク大統領府顧問は人道回廊のロジスティックを改善する上で「わずかに前向きな」進展があったとしつつ、停戦や休戦に関しては有意な成果がなかったと語った。休戦と停戦について「集中的な協議を継続する」ともコメントした。ロシア側も交渉を継続すると発言。人道回廊は8日に機能し始めるとの見通しも示した。ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相は、10日にトルコのアンタルヤで会談することに同意したと、トルコのチャブシオール外相が明らかにした。
デフォルトか
ロシアが対外債務の支払いを履行する確率は低下していると、モルガン・スタンレーが指摘。「最も可能性の高いシナリオはデフォルト(債務不履行)だとみている」と分析した。16日に支払期限を迎えるドル建てロシア国債のクーポン支払いには、30日の猶予期間が設定されているため、デフォルトになり得るのは最も早くて4月15日だという。ロシア国債をクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)によって保証するコストが過去最高に上昇。デフォルト確率が約80%と見なされていることが示唆された。
商品高・株安
ロンドン金属取引所(LME)のニッケル相場は急伸し、過去最高値を付けた。ロシアの供給不安を背景にショートスクイーズ(踏み上げ)が起きている。北海ブレント原油はバレル当たり140ドル近くまで上昇。欧州のガス価格は最高値を更新。シカゴの小麦先物相場も最高値を更新した。一方、欧州株はストックス欧州600指数が1年ぶりの安値に下げた。ドイツのDAX指数、ユーロ・ストックス50指数はいずれも弱気相場入りした。
需要の崩壊
モルガン・スタンレーとシティグループのストラテジストは株式相場の大きな波乱を予想。「需要の崩壊」は今や避けられないかもしれないとみている。モルガン・スタンレーのウィルソン氏はリポートで「下落リスクは今後6-8週間が引き続き最も大きい」とし、「弱気相場は期間と下落幅の点で明らかにまだ終わっていない」とコメントした。シティのストラテジストは、企業利益のアナリスト推計に関する世界的指標が2020年9月以降で初めてマイナスに転じたと指摘。リスク資産の見通しを転換させるものかもしれないと分析した。
スタグフレーションの脅威
バークレイズとJPモルガン・チェースはともに世界成長見通しを約1ポイント下方修正した一方、インフレ予想は1ポイント上方修正した。バークレイズは「ロシア・ウクライナ戦争を要因とする商品価格の高騰やリスク回避の強まりは、スタグフレーションのショックを示唆する」とリポートで指摘した。米10年物インフレ連動国債(TIPS)のブレークイーブン・レートは一時2.785%となり、05年に記録したこれまでの最高(2.784%)を上回った。
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