米国株は主要3指数そろって3日ぶりに小反発。「戦争は、現在の状況については市場に織り込まれている」。シティー・インデックスのシニア市場アナリスト、フィオナ・シンコッタ氏はこう指摘した上で、「ロシアのプーチン大統領が次に何を仕掛けてくるか、われわれには分からず、そこに不確実性がある」と話しました。プーチン氏は追い詰められると引き下がるのではなく暴走するといった米当局の分析もありますが、そうかと言って西側諸国が融和策をとることも考え難く、黒い雲に覆われた中での不安定な状況が続きます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
米上院は全会一致で可決
米議会はロシア、ベラルーシ両国との正常な貿易関係を打ち切る法案を可決した。ホワイトハウスも支持している同法案は、署名のためバイデン大統領に送付される。下院は法案を賛成420、反対3で可決。その数時間前には上院で賛成100、反対ゼロというまれな結果で可決されていた。成立すれば、ロシアとベラルーシは北朝鮮やキューバと同じ分類となり、両国からの輸出品に多額の関税を課すことが可能になる。下院は3月に同様の法案を可決していたが、上院が修正を加えたため下院に再送付された。
今年下期に3-3.25%支持
米セントルイス連銀のブラード総裁は、40年ぶりの高インフレの抑制に向けて政策金利を急激に引き上げることが望ましいとの考えを示した。また5月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での0.5ポイント利上げ、ならびに金融当局のバランスシート縮小への支持を示唆した。総裁はミズーリ大学での講演後、「FOMCが今年下期に政策金利を3-3.25%に引き上げることが望ましいと考える」と記者団に対して述べた。ブラード氏は3月会合で0.5ポイントの引き上げを主張し、唯一反対票を投じた。
特別委員会を設置
東芝は、潜在的な投資家などとのエンゲージメントと戦略的選択肢の検討を行うための特別委員会を設置したと発表。スピンオフに関する戦略的再編については中断すると明らかにした。先月の臨時株主総会では2社分割計画議案が否決されていた。特別委員会は同社から独立した社外取締役で構成されると同社は説明。また、経営陣は新事業計画を策定し、定時株主総会前に発表する予定だとした。ポートフォリオの売却プロセスをいったん中断したことも明らかにした。
資産購入の終了日設定を
欧州中央銀行(ECB)が公表した3月9、10両日の政策委員会会合の議事要旨によると、一部のメンバーは「資産購入プログラム(APP)の純購入終了期日を夏季に設定する」ことを主張した。それにより「インフレ見通しが悪化した場合、7-9月(第3四半期)中に利上げを実施する可能性に道を開く」とした。一方、「他のメンバーは様子見のアプローチが望ましいと論じた」という。金利調整が純購入の終了後「しばらくして」行われるという表現を当局者らが「総じて」支持したことも分かった。
アエロフロートなどに制裁
米商務省はロシアの航空会社3社に航空機部品や機体へのサービスの提供を禁止する命令を発した。米国の対ロシア制裁の一環で、これら航空会社の運航を難しくする狙いがある。対象となる3社は、ロシア航空最大手アエロフロートとアズール・エア、UTエア・アビエーション。ロシアのウクライナ侵攻を巡って米政府が課した輸出管理への違反に対し、強制的な措置をとったのはこれが初めて。
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