[ニューヨーク 7日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でドルが一時約2年ぶり高値を付けた後、伸び悩んだ。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的なシグナルが消化される中、ドルの水準が追加利上げを織り込み済みという見方も台頭している。
主要6通貨に対するドル指数は一時99.823と、2020年5月終盤以来の高値を付けた後、終盤は0.2%高の99.810近辺で推移した。
フォレクス・ドット・コム・エンド・シティ・インデックスのグローバルリサーチ主任マシュー・ウェラー氏は「トレーダーは年内に225ベーシスポイント(bp)の利上げを見込んでおり、期待外れとなるリスクがあることは確かだ」と指摘。「ドルの上昇トレンドには資源通貨に対し弱含みが見え始めているが、ユーロと円が床(フロア)を見いだすまで、ドル指数は上値を維持するだろう」と述べた。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は7日、FRBがインフレ対応で後手に回っているとの考えを示したものの、ドルの反応は限られた。
シカゴ地区連銀のエバンズ総裁とアトランタ地区連銀のボスティック総裁は、FRBが中立的な政策への回帰において慎重に対応するとし、大幅利上げを巡り幾分ハト派的な見解を示した。
FRBが6日公表した3月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からは、多くの参加者が、特にインフレ圧力が高止まりするか強まった場合、将来の会合で目標レンジの50bp引き上げを1回またはそれ以上実施することが適切と指摘した」ことが明らかになった。
ユーロ/ドルは0.2%安の1.0875ドル。一時、1カ月ぶりの安値となる1.0871ドルを付ける場面もあった。
欧州中央銀行(ECB)が7日公表した3月10日の理事会の議事要旨で、景気刺激策の解除に前向きな姿勢が示されたほか、利上げの条件が満たされたか、もしくは近く満たされるとの見方から、一部当局者が一段と踏み込んだ行動を促していたことがことが分かった。
10日に第1回投票を控えるフランス大統領選も注目されている。
ドル/円は0.2%高の123.990円。
商品価格の下落が一因となり、豪ドルとニュージーランドドルはともに対ドルで0.3%安。
ドル/円 NY終値 123.92/123.95
始値 123.80
高値 124.00
安値 123.76
ユーロ/ドル NY終値 1.0878/1.0880
始値 1.0892
高値 1.0938
安値 1.0868