[ニューヨーク 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、日銀が金融緩和の据え置きを決定したことを受け円が2002年以来の安値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が他の主要中央銀行よりも速いペースで利上げを実施していくとみられる中、日米の国債利回り格差が拡大するとの見方がドルの支援要因になっている。
ユーロは、ロシアがポーランドとブルガリアに対する天然ガス供給を停止したことなどが懸念要因になり、5年ぶり安値を付けた。
日銀は27─28日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定。ハト派的な内容だったと受け止められ、東京時間の取引でドル/円は20年ぶりに130円台に乗せていた。
MUFG銀行(ロンドン)の外為アナリスト、リー・ハードマン氏は「日銀は円売りのゴーサインを出したようなものだ」と指摘。終盤の取引で、円は対ドルで130.90円。一時は131.25円と、02年4月以来の安値を付けた。
円の下落を反映し、ドル指数は一時02年12月以来の高値を更新。CIBCキャピタル・マーケッツ(トロント)の北米外為戦略責任者、ビパン・ライ氏は「日米の国債利回り格差がドル/円の動きの背景にある」としている。
FRBは5月3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定する見通し。その後も積極的な利上げを継続するとみられている。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.62%高の103.62。一時は103.93まで上昇した。
商務省が朝方発表した第1・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比1.4%減と、予想外に縮小。これを受けドルは一時上げ幅を縮小した。
ただCIBCのライ氏は、今回のGDP統計は必ずしも景気が軟調であることを示しているわけではなく、輸入増を受けた貿易赤字の急拡大を反映しているにすぎないとの見方を示した。
終盤の取引でユーロは対ドルで1.0505ドル。一時は1.0470ドルと、17年1月以来の安値を付けた。
英ポンドも下落し、1.2412ドルと、21カ月ぶり安値を更新した。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.04%高の4万0058ドル、イーサが2.69%高の2698ドル。
ドル/円 NY終値 130.85/130.88
始値 130.39
高値 131.24
安値 130.29
ユーロ/ドル NY終値 1.0494/1.0498
始値 1.0495
高値 1.0531
安値 1.0472