[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル相場は約20年ぶりの高値近辺で小動きとなった。市場では連邦準備理事会(FRB)の今後の金融政策運営の手がかりを得ようと、11日に発表される米消費者物価指数が注目されている。

労働省が発表する4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で8.1%の上昇が予想されている。3月は8.5%上昇だった。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「CPI統計前の静けさの中でリスク資産の値動きが一服している」と指摘。「世界的な経済成長や中国を巡る懸念に関しては何も改善は見られない中、若干のポジション調整が入っていることがリスク資産に有利に働いている」と述べた。

連邦準備理事会(FRB)は3─4日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの利上げを決定。一度に0.5%ポイントの大幅利上げを決定するのは22年ぶりだった。これを受け、市場ではFRBはどこまで利上げに積極的になるのか見極めようとする動きが出ている。

この日はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が6、7月に開く2回の会合でそれぞれ0.50%ポイントの利上げを実施する公算が大きいというシグナルは「理にかなっている」と指摘。クリーブランド地区連銀のメスター総裁も、向こう数回の会合で0.50%ポイントの利上げを実施していくのは「完全に理にかなう」と述べた。

このほかウォラーFRB理事は、高すぎるインフレと「正常ではない」労働市場の状況に対応するため、利上げする時期にあるという見解を示した。

主要6通貨に対するドル指数は0.203%高の103.900。

ユーロ0.24%安の1.053ドル。

円は対ドルで0.12%安の130.42円。

英ポンドは0.13%安の1.2315ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.22%高の3万1627.41ドル。一時は昨年7月以来初めて3万ドルを下回った。イーサは3.92%高の2380.61ドル。