[ワシントン 17日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は17日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル主催のイベントで、インフレ低下の確証を得られなければ「FRBはさらに積極的な行動を検討する必要がある」と語った。また、インフレが明らかに低下している証拠を確認するまで、FRBは金融政策引き締めを続けると表明した。

パウエル議長は、「物価安定の達成・回復は無条件に必要だ。それなくしては労働者にとっても企業にとっても、経済はうまく回らない」と強調。インフレ抑制が経済成長の鈍化や失業率の上昇といった「痛み」をもたらす可能性があると認めながらも、本格的な景気後退を避けつつ物価上昇のペースを緩和する「道筋」があると述べた。

その上で、物価上昇ペースが鈍化しなければ、政策金利をより抑制的な水準に引き上げることも辞さないとし、「金利が『中立』と広く見なされる水準を超える状況になっても、ちゅうちょしない」と言明。「われわれは『金融状況は適切で、インフレが低下している』と感じられるまで、(引き締めを)続ける」と述べた。

さらに、物価上昇圧力がピークを迎えた可能性を示唆する心強い兆候が幾分存在するとしつつも、「期待できなさそうな兆候もある」と指摘。現在の状況はインフレの微妙な詳細を精査する時期ではなく、FRBはインフレが「納得できる形」で低下するまで、金融政策の引き締めを続ける必要があると強調した。

FRBがどの程度の幅やスピードで利上げを行うかは「毎回の会合ごとに、入手されるデータ」を精査し、経済情勢やインフレ動向を見極めていくとした。

この発言により、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FRBの誘導目標が年末までに少なくとも2.75─3.00%かそれ以上に達するとの見方が固まった。

CMEグループのフェドウオッチによると、政策金利が3.00─3.25%になる確率が16日の10%から25%に上昇した。