Businessman checking stock market data on computer screen and contemplating

米連邦公開市場委員会(FOMC)の積極的な金融引き締め姿勢が織り込まれ、投資家の関心は米経済がリセッション(景気後退)に陥るのかどうかに絞られてきたようです。ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・コスティン氏や、JPモルガン・チェースのマルコ・コラノビッチ氏はリセッション不安は行き過ぎている可能性があるとの見方です。一方でサクソ・キャピタル・マーケッツのチャル・チャナナ氏のように「金融環境の引き締まりは始まったばかり」と慎重なストラテジストは一人ではありません。株価が1ドル下がれば個人消費は3セント減るとの研究リポートがあり、連日のようにメディアが伝える株安のニュースが消費者心理を冷やす可能性も警戒されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

次の大型新製品

アップルは仮想現実(VR)と拡張現実(AR)を組み合わせたヘッドセットを先週の取締役会で披露したことが、事情に詳しい複数の関係者によって明らかになった。同ヘッドセットの開発が進行した段階にあることが示唆された。アップルは今年末、もしくは来年早々にもヘッドセットを発表し、来年中の一般リリースを目指している。今年6月の世界開発者会議(WWDC)での披露を目標にしていたが、コンテンツと過熱に関連した問題で遅れが生じている可能性があると、ブルームバーグが1月に報じていた。

動ぜず

米カンザスシティー連銀のジョージ総裁は「株式市場が大荒れの1週間」となっているのは驚きではなく、金融政策の引き締めを一部反映したものだと指摘。インフレ抑制に向け、複数回の0.5ポイント利上げを支持する考えは変わらないと述べた。CNBCとのインタビューで、「われわれが期待しているのは市場の理解を通じた政策の伝達であり、こうした引き締まりは予想されているはずだ」と述べた。「現時点では0.5ポイントでよいだろう。それよりも大幅な行動が必要だと判断するには、何か非常に異なる状況を確認する必要がある」と述べた。

雪解けの兆し

バイデン米大統領はサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と来月にも会談することを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。米紙ワシントン・ポストのコラムニストだったジャマル・カショギ氏の殺害を巡り、バイデン氏は同皇太子との接触を避けてきた。政権当局者によると、バイデン氏は湾岸協力会議(GCC)の会合出席のため中東を訪問する可能性がある。サウジは現在GCCの議長国を務めていると、この当局者は付け加えた。

関係強化

中国は安価なロシア産原油で戦略備蓄を補充しようと、同国と協議に入っている。欧州がウクライナ侵攻に抗議しロシア産原油の輸入禁止に動く中で、中国はエネルギー分野でロシアとの関係強化に向かう。匿名の関係者によると、交渉は政府間で行われ、石油会社はほとんど直接的に関与していない。ロシアがウクライナに侵攻して以来、石油相場は上昇しているが、評判の低下や制裁に巻き込まるリスクから買い手はロシア産原油を敬遠し、同国産原油の価格は急落した。

保留の事実はない

米ツイッターの経営陣は従業員に対し、イーロン・マスク氏による440億ドル(約5兆6000億円)での同社買収は計画通りに進んでおり、1株当たり54.20ドルという合意済みの提案価格を再交渉するつもりもないと伝えた。全社会議の参加者によると、ビジャヤ・ガッデ最高法務責任者(CLO)は「ディールが保留になっているなどということはない」と言明。ネッド・シーガル最高財務責任者(CFO)は従業員に対し、同社幹部は引き続きマスク氏および同氏のチームと協力し合っていると述べた。

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