日本銀行の黒田東彦総裁は20日、4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)が水準としては物価安定目標に掲げる2%に到達したことについて、安定的な推移にはならず「続かない」と語った。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で述べた。
黒田総裁は物価上昇の要因は、国際商品市況を中心とした輸入物価の上昇であり、交易条件の悪化によって国民所得が流出し、経済を下押しすると指摘。マイナス金利を含む現行のイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策を軸とした強力な金融緩和政策を粘り強く続け、「経済の回復をしっかりサポートする」ことが重要との認識を示した。
G7の多くがインフレに対応するために金融引き締めにかじを切ったことについては、日本以外の国や地域は数十年ぶりの相当な物価上昇に直面しており、当然の対応と見ている。
鈴木俊一財務相は「為替の安定は大切であって、最近の急激な動きは好ましくない」と述べ、為替に関するG7の合意を再確認したことには意味があると語った。他の参加国の為替についての関心は高くなかったが、日本主導で合意を確認した。