ブリンケン米国務長官が演説で、バイデン政権の対中戦略を説明しました。中国政府を批判しながらも、新たな冷戦は望んでいないとし、中国周辺の「戦略的環境」の形成を重視する考えです。「一つの中国政策」を採用しつつ台湾を支援する「戦略的曖昧さ」と同様、対中関係の複雑さを示しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
戦略的環境
ブリンケン長官は「開かれた包摂的な国際システムというビジョンを推し進めるため、中国政府を取り巻く戦略的環境を形作っていく」と述べた。中国は未来の産業を支配することを目指していると指摘。これに対して米国は国内投資を拡大するとともに、同盟国と緊密に協力した上で、「公平な競争の場」で中国と競い合うと語った。習近平体制は中国に繁栄をもたらした国際システムを積極的に損なっていると批判しつつ、中国との間で新たな冷戦が始まることを米国は望んでいないとも述べた。
一大ソフト企業に
米半導体メーカーのブロードコムは、クラウドコンピューティングを手掛けるヴイエムウェアを約610億ドル(約7兆7400億円)で買収することで合意した。半導体メーカーとしては過去最大規模の買収により、ブロードコムは一大ソフトウエア企業となる。ヴイエムウェアの株主は1株当たり142.50ドルの現金もしくはブロードコム0.2520株のどちらかを受け取る。買収額はヴイエムウェア株の20日終値を約44%上回る。同日は買収観測が報じられる前の最後の営業日だった。
株の押し目買い推奨
世界的な株の売り浴びせでバリュエーションが魅力的な水準になっているとして、米シティグループのストラテジストは欧州と新興国市場を中心に株の押し目買いを勧めた。シティの「弱気相場チェックリスト」のうち警鐘を鳴らしているのは18項目中6項目のみ。世界金融危機の前は13項目、2000-03年の株安前には17.5項目だった。過去において市場の警戒信号が現在と同じような水準まで減った際には、その後12カ月で株式相場は平均31%の「健全な」上昇を演じたという。
高級品需要は持続
百貨店メーシーズの株価が急伸。高インフレにもかかわらず高級品需要が持続していることを背景に、通期利益見通しを上方修正した。2-4月(第1四半期)決算は利益が予想を大きく上回った。先週はウォルマートとターゲットが利益見通しを引き下げたが、今週に入って百貨店ノードストロムも業績予想を上方修正しており、高所得層の購入意欲には変わりがないことが示唆された。
3回目の利下げ
ロシア中央銀行は約1カ月で3回目の利下げを実施し、追加利下げも示唆した。ウクライナ侵攻後の金融防衛策を解除するとともに、ルーブル高を抑える目的とみられる。中銀は臨時会合で、政策金利を14%から11%に引き下げた。同中銀は前日に会合を緊急開催することを明らかにしていた。ブルームバーグのエコノミスト調査で23人全員が利下げを予想したが、大方は2ポイントの引き下げを想定していた。
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