The Bank of England in the City of London.Photographer: Hollie Adams/Bloomberg

米住宅市場に暗雲が垂れ込めつつあるようです。5月の米住宅着工件数は14.4%減と予想以上に落ち込みました。サプライチェーン問題の影響に加え、住宅ローン金利上昇による販売減少が浮き彫りになっています。フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の16日発表によると、30年物固定金利は平均5.78%に上昇。昨年1月に付けた過去最低(2.65%)から2倍余りに上げたことになります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

利上げ相次ぐ

 イングランド銀行(英中央銀行)は5会合連続の利上げを発表した。さらに、インフレ抑制に必要ならば、より大規模な行動を取る用意があることをこれまでで最も明確に示唆した。金融政策委員会(MPC)メンバーのうち6人が0.25ポイントの利上げを支持、政策金利は1.25%に引き上げられた。これは2009年以来の高水準。またスイス国立銀行(中銀)も予想外の利上げを発表。政策金利を0.5ポイント引き上げマイナス0.25%とした。

日銀からもサプライズか

通貨オプションのトレーダーらは日本銀行が今週、スイス中銀のように世界各国・地域の中銀に加わり、金融政策のサプライズで市場を動揺させるとみている。日銀の政策決定会合を17日に控え、円の1日の価格変動をヘッジする需要が2020年3月以来の高水準となっているほか、トレーダーらは既に値上がりしている円が20年3月以降で最も目立った形での上昇を演じる可能性があるともみている。

確率は8割超

S&P500種株価指数が示唆する米国のリセッション(景気後退)確率は85%だと、JPモルガン・チェースのストラテジストが指摘した。米金融政策の誤りに対する懸念が背景にあるという。同行のクオンツおよびデリバティブのストラテジストらは過去11回のリセッションで平均26%下落したS&P500種を基に分析し、警鐘を鳴らした。ストラテジストはリポートで「政策ミスやそれに続く政策反転に関する市場の懸念は強まっている」と指摘した。

ECBの意図

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はユーロ圏の各国財務相に対し、域内の比較的財政の弱い国の借り入れコストが過度に上昇したり、上昇が急だったりする場合には、ECBの新たな危機対策ツールが稼働すると語った。状況について説明を受けた複数の関係者が明らかにした。この関係者によると、ラガルド総裁は16日にルクセンブルクで開かれたユーロ圏財務相会合で、ECBスタッフが現在練り上げている新たなメカニズムは、市場の理不尽な動きで個別の国に圧力がかかることを防ぐ意図があると説明した。

空売りポジション拡大

レイ・ダリオ氏率いる世界最大のヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツは、欧州株に対する最大のショートセラー(空売り投資家)として浮上した。相場下落の可能性に賭けるポジションの規模が57億ドル(約7600億円)余りに膨らんでいる。ブリッジウォーターの投資には、半導体製造装置メーカーのASMLホールディングに対する10億ドルのショートポジションや、トタルエナジーズの空売り約7億5200万ドル相当が含まれる。規制当局への届け出を基にブルームバーグがまとめたデータで明らかになった。同社は今月、欧州域内での空売り対象企業を18社に増やした。

その他の注目ニュース

日銀に29兆円の含み損も、市場の圧力でカーブコントロール放棄なら

試されるESG哲学、ファンド成績が二極化-分散投資で奏功例も

そろり始動した訪日観光客、慎重な受け入れ姿勢に透ける日本の事情