ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ルハンシク州知事「セベロドネツク大部分 ロシアに掌握された」
東部ルハンシク州のハイダイ知事は19日、ウクライナのメディアとのインタビューの内容をSNSに投稿し、州の戦況について「セベロドネツクの大部分はロシア軍に掌握されている。セベロドネツクや周辺の地域で、ロシア軍が戦力を集中させている」と述べました。
一方で、「ドンバスの戦いは、ロシア軍の計画どおりには進んでいない」という認識も示しました。
ゼレンスキー大統領「南部は誰にも譲らない」SNSに投稿
ゼレンスキー大統領は19日、自身のSNSに動画を投稿し「南部ミコライウ州とオデーサ州への訪問を終えて首都キーウに戻っている」と明らかにしました。そのうえで「兵士たちの士気は高く、彼らの目を見れば誰もが勝利を確信していた。南部は誰にも譲らないし、すべてを取り戻す」と述べ、徹底抗戦を続ける姿勢を強調しました。
核軍縮専門家 ロシアによる核の使用懸念に危機感
核兵器禁止条約の初めての締約国会議が今月21日からオーストリア・ウィーンで開催されるのを前に、核軍縮を研究し、締約国会議の運営にも関わってきたウィーン軍縮不拡散センターのエレナ・ソコバ事務局長がNHKのインタビューに応じました。
ソコバ氏はウクライナ情勢を受けて、ロシアによる核の使用が懸念されるなど、核の脅威が冷戦以降最も高まっていると危機感を示したうえで、締約国会議について「世界が分岐点にある今、核兵器の恐ろしさについて世界に向けて発信するとても重要な会議だ」と述べました。
そのうえで「核軍縮を進めるためには話し合いを締約国間だけで終始させるのではなく、核保有国や、いわゆる『核の傘』にある国々にも広げる必要がある」と述べ、会議では核を持たない国と核保有国などとの間で、定期的な対話の場を設けるための枠組みを話し合う必要があると指摘しました。
ゼレンスキー大統領 南部ミコライウ州訪問 被害状況を確認
ウクライナ大統領府は18日、ゼレンスキー大統領が南部のミコライウ州を訪問した際の映像を公開しました。
大統領府によりますと、ゼレンスキー大統領はロシア軍の攻撃によって破壊されたミコライウ州の行政庁舎を視察し州知事などから被害状況について説明を受けたということです。
またゼレンスキー大統領は、南部に面する黒海を含む現地の戦況について報告を受けたほか、病院も訪問し、関係者に勲章を授与するなどして激励していました。
地元メディアなどによりますと、ロシアによる軍事侵攻が始まってから、ゼレンスキー大統領がミコライウ州を訪れるのは初めてだということです。
ミコライウ州をめぐっては、南部のクリミア半島から侵攻するロシア軍との間で戦闘が続いていて、17日もロシア国防省が、砲兵部隊などの攻撃でウクライナ側の兵士350人以上を殺害したと発表していました。
ロシア軍 東部で攻勢強める 化学工場で戦闘も
ロシア軍は完全掌握を目指す東部ルハンシク州で、ウクライナ側の拠点セベロドネツクの包囲に向けて攻勢を強め、ロシア国防省は18日、セベロドネツクに隣接するリシチャンシクの地域などを攻撃し、燃料施設や石油精製所を破壊したと発表しました。
セベロドネツクの「アゾト化学工場」には、ウクライナ側の兵士とともに市民も取り残されていますが、ロシア側は市民を避難させる「人道回廊」の設置を主張する一方、兵士に投降を迫っていて、ロシア側の部隊の一部はすでに工場内に入り、戦闘が行われているとしています。
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は17日、「ロシア軍はセベロドネツクとリシチャンシクの一帯で部隊の展開を続けているが、ウクライナ側は依然として強固に防衛している」と指摘し一進一退の攻防が続いているとみられます。
米中首脳会談 実現すればウクライナ情勢も議題
アメリカのバイデン大統領は中国の習近平国家主席と近く、電話などによる首脳会談を行う考えを示しました。
バイデン大統領と習主席の首脳会談が実現すればことし3月のオンライン形式での会談以来となり、台湾情勢や関税をめぐる問題、それにウクライナ情勢などが議題になるものと見られます。