今年度のGDP=国内総生産の成長率について、政府は経済財政諮問会議で、これまでの見通しから下方修正し、物価の変動を除いた実質でプラス2.0%程度とする試算を示しました。
岸田総理大臣は医療提供体制の強化など、引き続き新型コロナへの対策を講じながら経済活動の水準を引き上げていく方針を示しました。
総理大臣官邸で開かれた経済財政諮問会議では、内閣府から今年度のGDPの成長率の試算が示され、実質の成長率はプラス2.0%程度と、ことし1月の閣議決定でプラス3.2%としていた見通しを1.2ポイント引き下げました。
会議で岸田総理大臣は「日本経済はオミクロン株の特性を踏まえた感染防止と経済社会活動の両立により、コロナ禍で落ち込んだサービス消費にも、ようやく明るい兆しが出始めた。医療提供体制の強化などに万全を期すことにより、できるかぎり『ウィズコロナ』のもとでも経済活動の水準を引き上げていく」と述べました。
一方で、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な物価高騰は、コロナ禍からの経済回復にとってリスクになると指摘し、予備費を機動的に活用しながら対応策を講じていくとともに、経済を持続的な成長軌道に乗せるため、賃上げや投資の拡大に向けた具体策の検討を加速させる方針を示しました。
そして「こうした取り組みにより今年度から来年度にかけて成長力をさらに高め、一段高い成長経路に日本経済を乗せていく」と強調しました。