[ワシントン 28日 ロイター] – 米商務省が28日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比0.9%減と、2四半期連続で縮小した。米連邦準備理事会(FRB)が40年ぶりの物価高に対応するため積極的な利上げを進める中、米経済がすでに景気後退入りした恐れがあるとの懸念をあおる可能性がある。
市場予想は0.5%増だったが、2.1%減から2%増まで幅があった。
第1・四半期のGDPは1.6%減だった。2四半期連続のマイナス成長は景気後退(リセッション)と見なされる。
第2・四半期のマイナス成長は、自動車不足が続いていることで、企業の在庫積み増しペースが緩やかになったことが主な要因だった。
米経済活動の3分の2以上を占める個人消費は1.0%増と、前四半期の1.8%増から鈍化し、2020年第2・四半期以来の低い伸びとなった。
米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数は前期比年率4.4%上昇。予想は4.5%上昇だった。
FRBは26─27日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の利上げを決定。75bpの大幅利上げは2回連続だった。
ただ、2期連続のマイナス成長を受け、FRBは積極的な利上げを縮小せざるを得なくなるとの見方も出ている。BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「米国が景気後退に陥る公算が極めて大きい」とし、「FRBは9月に再び大幅な利上げを実施することは控える可能性がある」と述べた。
バイデン大統領はGDP統計を受けて発表した声明で、FRBがインフレ抑制への対応を進める中での景気減速は驚くべきことではないと指摘。雇用市場は歴史的に見ても堅調で、個人消費も伸び続けているとし、「われわれは正しい道を進んでいる。この移行期をより強く、より安全に乗り越えていく」との考えを示した。