[プノンペン 5日 ロイター] – 東南アジア諸国連合(ASEAN)外相は5日の会議で共同声明を出し、ミャンマー軍事政権について、暴力の即時停止などASEANが昨年決めた5項目の和平合意を限定的にしか履行していないことに「深い遺憾」の意を表明した。 

11月のASEAN首脳会議で国軍の合意履行における進展を検証し、「次の段階に関する決定につなげる」よう提言した。

カンボジアのプノンペンで開催された今回の外相会議には、米国、中国、ロシア、日本、英国、オーストラリアなどの外相も参加し、ミャンマー危機について話し合う予定だった。

だが、ペロシ米下院議長による2日の台湾訪問を受けた緊張の高まりで、参加国の足並みは乱れた。

出席者によると、中国の王毅外相とロシアのラブロフ外相は5日の全体会議で日本の林芳正外相が発言している途中で退席したという。

主要7カ国(G7)の外相は3日、中国に台湾海峡を巡る緊張を平和的に解決するよう呼びかける声明を発表。中国はこれに強い不快感を表明し、王外相は4日に予定されていた林外相との会談を見送っていた。

ASEANも4日、台湾海峡を巡る緊張がもたらす情勢不安定化が「主要国間の誤算や深刻な対立」を引き起こす可能性があると警告し、対話を支援する用意があると表明した。

ただ、5日の共同声明で台湾への言及はなかった。

共同声明は、ASEAN加盟国であるミャンマーについて「最近の情勢について幅広く議論し、4人の野党活動家の処刑を含め、長引く政治危機への懸念を表明した」と記した。

ミャンマーでは暴力が終わる兆しはほとんどなく、ほとんど平和的な抗議行動を軍が鎮圧した後、紛争が広がっている。

西側の当局者によると、ブリンケン米国務長官は5日の全体会議で、ペロシ氏の台湾訪問に対する中国の反応は「はなはだしく挑発的」だと述べた。

米中外相はプノンペンでの会談を互いに拒否している。