ウクライナ南東部のザポロジエ原発=2日、エネルホダル(ロイター時事)
ウクライナ南東部のザポロジエ原発=2日、エネルホダル(ロイター時事)

 【イスタンブール時事】ロシア軍が占拠するウクライナ南東部ザポロジエ原発では4日、国際原子力機関(IAEA)の専門家が現地にとどまる中で緊迫した事態が続いた。原発は3日時点で再び外部電源の喪失が確認され、予備電源に依存する綱渡りの状況に陥っている。

【図解】ウクライナ南部

 IAEAは3日の声明で、ザポロジエ原発に「外部から本来の送電網を通じた電力が供給されなくなった」と明らかにした。ただ「予備の送電網で電力は供給され続けている」と強調した。6基ある原子炉のうち稼働しているのは1基だけだ。

 一帯でロシアとウクライナの交戦が続く中、原発敷地内への着弾も相次いでいる。原発は8月25日から26日にかけても外部の送電網から切り離され、ディーゼル燃料で稼働する非常用の予備電源が使われた。冷却機能が停止すれば炉心溶融(メルトダウン)を引き起こしかねない。