[ワシントン 13日 ロイター] – 米労働省が13日に発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比8.3%上昇と、伸びは7月の8.5%から縮小した。ガソリン価格が下落したものの、家賃や食品、ヘルスケア関連の価格の上昇を背景に、市場予想の8.1%は上回った。連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で再度大幅な利上げを実施する根拠になるとみられる。
前月比では0.1%上昇。7月は横ばいだった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は0.1%低下だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比6.3%上昇。伸びは7月の5.9%から加速し、予想の6.1%も上回った。前月比では0.6%上昇。7月は0.3%上昇していた。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「FRBが来週0.75%ポイントの積極的な利上げを実施することはほぼ確実だ。短期的な引き締めサイクル休止の観測にも強く抵抗するだろう」と述べた。
これまで物価高騰の一因となっていた世界的な供給制約が和らいでいるにもかかわらず、インフレは高止まりしている。底堅い労働市場が賃金の上昇を支えていることもあり、インフレはピークに達していない可能性もある。
アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、チャーリー・リプリー氏は「これまでのFRBの引き締め幅が景気を冷やしインフレを引き下げるには十分でないことが明らかになりつつある」と述べた。
ガソリンは前月比10.6%下落した。
一方、食品は前月比0.8%上昇。前年同月比でも11.4%上昇し、1979年5月以来の大幅な伸びとなった。
持ち家の帰属家賃は前月比0.7%上昇。前年同月比では6.3%上昇と、86年4月以来最大の上昇率となった。家賃には持続性があり、CPIに占める比率も大きいことから、インフレがしばらく高止まりする可能性を示唆している。
光熱費や家具、教育費なども上昇。新車は0.8%上昇した。
ヘルスケアは前月比0.7%上昇。処方箋薬は0.4%上昇した。
半面、中古車や航空運賃、通信費などは下落。ホテルなどの宿泊料は横ばいだった。
CPIの伸びは6月に前年同月比9.1%上昇と、1981年11月以来約40年ぶりの大幅な伸びを記録しピークに達したものの、6カ月連続で8%を超えて推移している。
ロヨラ・メリーマウント大学のSung Won Sohb金融・経済学教授は「賃金と住居費が引き続き今後のインフレの主要因となるだろう」とし、「短期的にインフレが大幅に緩和する様子は見られない」とした。
CPIを受け、フェデラルファンド(FF)金利が織り込む0.75%ポイント利上げの確率は81%、1%ポイント利上げの確率は19%となった。
また、バイデン米大統領はCPIで進展が見られたとしながらも、インフレ抑制には時間がかかるとの見方を示した。
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▽FRB、9月FOMCで1%ポイント利上げの可能性高い=ノムラ<ロイター日本語版>2022年9月14日3:59 午前