- 米鉄道スト警戒、米PPI、ビジョン・ファンド3号の設立協議
- 米株はさらに下落の公算大、ウッド氏が大量の押し目買い
既に高止まりしている米国のインフレですが、物価がさらに押し上げられる恐れが出ています。米貨物鉄道会社と労組との間での待遇改善を巡る交渉が難航。16日の期限までにまとまらない場合、約12万5000人の労働者がストを決行する可能性があります。市場では既にストの懸念が強まっており、天然ガス先物が急伸するなどエネルギー・商品相場に影響が出始めています。来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での政策決定に影響を及ぼす可能性もありそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
スト警戒
全米鉄道旅客公社(アムトラック)は長距離路線の運行を15日から全てキャンセルすると発表した。全米の貨物鉄道網がストに突入する可能性がある中、「旅客輸送に支障が生じる可能性」を避けるためだと説明している。またトヨタ自動車もスト実施時の対応策を準備。トラックでの車両輸送を増やしたり、全米各地の拠点で一時的に車両を保管したりすることで、鉄道輸送の遅れや停止で生じる影響を回避しようとしているという。
燃料の値下がり続く
8月の米生産者物価指数(PPI)は前月比で0.1%低下し、2カ月連続でのマイナスとなった。燃料コストの低下が続いたことが背景。一方、食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比0.4%上昇した。ガソリン価格が低下した一方、企業はサービスと財の一部でコスト上昇に見舞われている。前年同月比では総合PPIが8.7%上昇、コアPPIは7.3%上昇だった。
さらに下落も
米株式市場では今年に入り7兆6000億ドル(約1090兆円)が失われた。しかし過去の例に基づくと、弱気相場が終わるまでにはさらに下落する公算が大きい。サンフォード・バーンスタインのクオンツストラテジストが分析した。アナリストのアン・ラーソン氏が率いるチームは1937年以降の15回の大幅な下落相場について分析。13日のリポートによると、ピークから底までの下落率は平均で28%だった。現在の下落率はまだ20%。
設立協議
ソフトバンクグループの孫正義社長がビジョン・ファンド3号の設立に向けた議論を再開したと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。情報が非公開のため、匿名を条件に語った関係者らによると、孫社長は数十億ドルの資金を調達し、振り向け先の候補の一つとしてスタートアップに投資するファンドの設立を検討している。新ファンドの金額規模などに関しては現時点で明らかになっていないという。
急落は好機
13日の米株式市場ではインフレ指標が予想を上回ったことを受けて売りが殺到し、株価指数はそろって急落した。だがキャシー・ウッド氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメントには、好機に映ったようだ。ブルームバーグがまとめたデータによると、アークは同社の上場投資信託(ETF)8本で合計27銘柄の株式を購入した。購入規模が最大だったのは動画ストリーミング機器・ソフトウエア開発を手掛ける米ロク。
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