• サマーズ氏発言、米地区連銀総裁の見解、米失業保険申請件数
  • 英首相が政策擁護、ECB政策当局者コメント
A monitor with stock market information on the floor of the New York Stock Exchange. Photographer: Bloomberg/Bloomberg

米株式相場は大幅反落し、四半期ベースでは金融危機で混乱した2008-09年以来の3期連続安となりそうです。そんな中、サマーズ元米財務長官が現在の状況は金融危機前夜を想起させるとの見解を示しました。米金融当局よりも格段に早く高インフレに警鐘を鳴らしていた同氏の発言だけに無視できません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

危機前夜を想起

サマーズ元財務長官は世界経済が直面している一連のリスクを金融危機以前の2007年の夏になぞらえ、現在の英国の問題は潜在的な崩壊の一例に過ぎないとの見解を示した。「2007年8月に人々が不安になったのと同じように、現在は不安の高まりが生じている」と語った。英国を除くと「他の市場に混乱の兆候はまだ見当たらない」と指摘。「しかし、極端なボラティリティーがある時にこうした状況が発生しやすいことは分かっている」と述べた。

利上げ継続へ

セントルイス連銀のブラード総裁は、金融当局は向こう数カ月のさらなる政策引き締めを見込んでいるとし、「その見通しは市場で消化されており、正しい解釈がなされているようだ」と述べた。クリーブランド連銀のメスター総裁は高インフレを抑制するための利上げを継続する必要があるとの見解を示した。「フェデラルファンド(FF)金利はまだ抑制的な領域にさえ達していない」と述べた。

予想外の減少

米新規失業保険申請件数は前週比1万6000件減の19万3000件と、予想外に減少し、5カ月ぶりの低水準となった。経済の先行きが不安定な中でも労働需要が堅調に推移していることが示唆された。4週移動平均は5週連続で減少。パンテオン・マクロエコノミクスのイアン・シェファードソン氏は「現時点で、米金融当局が望む労働市場の軟化がレイオフ増加によってもたらされる可能性は低いとみられる」とリポートに記した。

政策を擁護

トラス英首相は「非常に、非常に厳しい経済環境に世界レベルで直面している。緊急に行動しなければならなかったが、これについては議論があり、困難な決定をすることを意味する」と述べ、自身の財政パッケージを擁護した。政策を撤回すべき時ではなく、増税は英国がリセッション(景気後退)に陥る可能性をいっそう高めると主張。「政府は正しいことをした。これは正しい計画だ」と述べた。

再び0.75ポイント利上げか

欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、リトアニア銀行のシムカス総裁は、ユーロ圏の9月の消費者物価指数の上昇率が8月に続き過去最高を更新しかねない状況で、10月の次回政策委では0.75ポイントの利上げを支持する方向に傾いていると語った。1ポイントの利上げは現時点で確かに行き過ぎだろうが、0.5ポイントは最低ラインだと発言した。ラトビアとオーストリアの中銀総裁も、0.75ポイント利上げを支持する意向を示している。

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