ロシアのプーチン大統領が70歳の誕生日を迎えました。既に異例の長期政権となっていますが、同国の法律上は83歳となる2036年まで大統領に在職可能。プーチン政権がいつまで続くのか、ウクライナでの戦争はどんな結末を迎えるのか、現時点では予想さえ困難です。それでも、いつかは終わるプーチン政権。やがて歴史はどう裁くでしょうか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
爆破が原因
ロシア産ガスを欧州に輸送する主要ガスパイプライン「ノルドストリーム」の損傷について、スウェーデンの排他的経済水域(EEZ)付近で発生したものは爆破が原因だと、スウェーデン安全保障当局が説明した。当局は「何者かに嫌疑をかけ、その後起訴することが可能か」を明らかにするため、現場で収集した物的証拠を分析中だと発表。完了した調査からは、「深刻な破壊工作の疑いが強まった」と指摘した。ロシアはノルドストリームの損傷に関して責任を否定している。
タカ派発言続く
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、利上げサイクルを休止するのは「かなり遠い先」になると指摘。米金融当局はインフレ鈍化の任務を終了しておらず、「まだやるべき仕事がある」と述べた。シカゴ連銀のエバンス総裁も高い水準のコアインフレに懸念を表明し、政策金利は来春までに4.5-4.75%に達する可能性が高いと発言。米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は、インフレを鈍化させるためには追加利上げのほか、景気抑制的な政策を一定期間維持することが必要になる公算が大きいとの見解を示した。
スピンオフ
クレディ・スイス・グループは、助言および投資銀行事業をスピンオフ(分離・独立)させ、外部投資家の資金を呼び込もうとしている。事情に詳しい関係者が明らかにした。同行経営陣は再編計画の最終的な詰めに取り組んでいる。スピンオフする部門には、助言およびディールメーキングのチームとレバレッジドファイナンス部門が含まれるという。スピンオフ部門に「ファースト・ボストン」の名前を復活させる案も進んでいると、関係者は匿名を条件に述べた。
沈黙の意味
北朝鮮は2週間足らずで計10発の弾道ミサイルを発射した。以前は米国などに対する挑発的な言葉を駆使してミサイル発射を誇示していたが、今回は様子が異なる。金正恩朝鮮労働党総書記は3週間以上も公の場に姿を見せておらず、過去1年で最も長く沈黙を保っている。これまでとの姿勢の違いは、北朝鮮が確固たる核の脅威の取得を目指し、言葉よりも行動を優先させていることを示唆する。
2%達成困難
元日本銀行理事の門間一夫氏は、日銀の金融政策が調整されるのは今回の物価上昇局面ではなく、金融緩和の副作用抑制が課題となる来年以降になる可能性が高いとの見方を示した。来年の今頃には、持続的な賃上げが展望できないことが明らかになり「事実上、2%の物価安定目標はあきらめざるを得ないとの認識が日銀内でも強まってくる」と予想。金融政策の論点が緩和の副作用を「いかに抑えていくかに移っていく」と指摘し、2%目標は維持しながらも、実現できないことを前提にした政策運営が行われると分析した。
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