放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」の使用をウクライナが計画しているとロシアが一方的に主張している問題で、露外務省が主張の根拠としてツイッターに投稿した画像が、2010年に東欧スロベニアの政府機関が作成したものであることが27日までに分かった。ロシアの主張が根拠に乏しいことが改めて示された形だ。
露外務省は24日、ツイッターに「ウクライナの2つの機関が汚い爆弾の製造を指示され、作業が最終段階にあると露国防省が発表した」と書き込んだ。また、原発や使用済み核燃料の保管施設、ポリ袋に入れられた放射性廃棄物などの写真に「ウクライナの汚い爆弾の製造能力」とのタイトルをつけた画像を投稿した。
しかし、スロベニア政府は25日、ツイッターで「露外務省が使用した画像は、(スロベニアの政府機関である)ARAOの2010年の画像だ」と指摘。画像はスロベニア側に無断で使用されたとも説明した。
ロシアは汚い爆弾を巡る自身の主張を25日の国連安全保障理事会の非公開会合で提起。ロイター通信は「ロシアはいかなる新しい証拠も提示しなかった」とするカリウキ英国連次席大使のコメントを伝えた。