[25日 ロイター] – 米ツイッターは、「ヘビーツイーター」と呼ぶ最も活発な利用者のつなぎ止めに苦戦を強いられていることが分かった。内部調査資料の内容をロイターが確認した。
ヘビーツイーターは月間アクティブユーザー全体の10%に満たないものの、ツイート総数の9割を占め、ツイッターが世界全体で得る収入の半分を生み出す大事な存在。ただ「ツイーターたちはどこに向かったのか」と題した内部調査資料によると、新型コロナウイルスのパンデミック発生以降、ヘビーツイーターは「絶対的に減少」した。実業家イーロン・マスク氏が提案したツイッター買収の期限が迫る中で、同社が直面する大きな課題が浮き彫りになった形だ。
ツイッターが定義するヘビーツイーターは、週6─7日ログインし、週3─4回は自らツイートを発信する利用者を指す。
また内部調査では、過去2年で英語を話す最も活発な利用者の関心事項に変化があったと指摘され、これが広告主にとってツイッターの魅力を低下させる原因になりかねない。
こうした英語を話すヘビーツイーターらの間で最も急速に高まっている関心事項は暗号資産(仮想通貨)や、ヌード画像といった成人向けなど「Not Safe For Work(職場閲覧注意)」のコンテンツ。逆にニュース、スポーツ、エンターテインメントへの関心が薄れている。これまでは、ニュースやスポーツなどを巡る活発なツイートがツイッターの存在を輝かせていた面がある。
ツイッターは、ツイート全体のうち英語で発信されている具体的な件数や、英語スピーカーからの具体的な収益は明らかにしていない。ただこの分布状況こそ、ツイッターの事業にとって重要な意味を持つ、と複数のアナリストは説明する。
実際、ツイッターが投資家に宛てた書簡を見ると、第4・四半期の広告収入は米国だけで他の全ての市場を上回ったことが分かる。さらにアナリストの1人は、米国で掲載された広告の大半は、英語を話す利用者を対象にしている公算が大きいと述べた。
内部調査資料では、デーリーアクティブユーザー数の伸びによって隠されているかもしれないトレンドを調べ、ヘビーツイーターが減っている実態をより正確に理解したいために調査を行ったと説明されている。もっともヘビーツイーター減少の理由に関する具体的な分析結果は記されていない。
ツイッターの広報担当者に24日、この内部調査について質問すると「われわれは定期的に、世界中で起きている出来事に基づいて、さまざまなトレンドを調べている。オーディエンス総数は増え続け、収益につながるデーリーアクティブユーザー(mDAU)は第2・四半期に2億3800万人に達している」とコメントした。